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井上弘久(ex.転形劇場、Uフィールド)インタビュー◆チャールズ・ブコウスキー没後20年にたむける朗読演劇『町でいちばんの美女』に寄せて

人を演じる、ということは、その人の息づかいを感じ、その人の生きた時間をともに生きようとすること

——ソロライブの魅力、見どころはどんなところですか。

 

井上:見えないものが見えてくるところ、そして見えてきたものが姿を変えていくところ、さらにそれが消える瞬間。

 

——見えないものが見えてくるところ……。

 

井上:私たちはいま、あふれんばかりの映像に取り巻かれて暮らしています。演劇の世界でも映像を駆使した作品がずいぶん多くなりました。しかし映像を見る、ということは、見えてしまうことで想像を縛ってしまうところも同時にある、と思います。ソロライブでは、私の身体だけ、声だけ、それだけでどこまで想像力がはばたくか、ぜひじっさいに舞台を見て実感していただきたい。

 

——井上さんにとって演じるというのは、どういうことですか。

 

井上:私にとって人を演じる、ということはその人の息づかいを感じ、その息づかいに自分の息を合わせようとすることで、その人の生きた時間をともに生きようとすることです。そうすることで、そのとき舞台に立ち現れるブコウスキーが生きたであろう時間を、私とともに感じて生きていただければ、それ以上に嬉しいことはありません。

 

いわゆる「朗読」でもなければ「一人芝居」でもない<朗読演劇>の可能性を追求していきたい

——今年は、さまざまな場所で、さまざまな方々とのコラボレーションもありますね。最後に、ソロライブへの意気込みをぜひ聞かせてください。

 

井上:ライブは生ものです。一回一回が勝負であり、そのたびに進化=深化していきたい。ミュージシャンとのコラボレーションは共演であり、競演でもあります。お互いに刺激し合って、どんなステージが、時間が生まれるか、たいへん楽しみでワクワクしています。翻訳者で作家の青野聰さんが私のソロライブを<朗読演劇>という新しい表現ジャンルのはじまりだ、と書いてくれました(『すばる』2013年9月号)。おそらく世界のどこでもやられていない、いわゆる「朗読」でもなければ「一人芝居」でもない<朗読演劇>のはじまりだ、と。その<朗読演劇>とはどういうものなのか。今のところはまだまだ自分にとっても曖昧なところがありますが、毎月やることで、<朗読演劇>とはどういうものなのかを明確にしていきたい。またその可能性を追求していきたいと思っています。

 

20140311bukowski

 

 

●2014 Live Information

年末まで都内各所で連続公演!詳細は公式HPへ!

http://bukowski20th.com/

 

 

 

●profile

井上弘久(いのうえ・ひろひさ)

 

朗読演劇家、俳優、演出家。⇨1952:東京に生まれる。⇨79-88:太田省吾主宰の転形劇場に所属。「水の駅」「小町風伝」「→(やじるし)」など出演。⇨90-11:演劇集団Uフィールドを主宰。「孤独な老婦人に気をつけて」(マティ・ヴィスニユック)、「女中たち」(ジャン・ジュネ)、「太田省吾の世界」など演出。⇨2013:南青山マンダラにて『町でいちばんの美女』を皮切りにブコウスキー作品のソロライブ開始。

 

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