2015.4.11

ぷりぷり伊能プロジェクト測量1回目わかめ（龍宮ナイト・名古屋）――名古屋の音楽シーンを盛り立てまくる名物イベンター

地方／都市、日本／海外、オンライン／オフラインの越境を掲げるカルチャードキュメントサイト「HEATHAZE」。まずはその垣根を知るところから。ということで、全国各地のイカした人や場を発信していく日本横断企画「ぷりぷり伊能プロジェクト」を始めます！ふざけたタイトルですがこちとら大真面目です。日本初の正確な地図を作った伊能忠敬（約200年前）と吉田戦車による日本初の県民ギャグ漫画『ぷりぷり県』（約20年前）をマッシュアップさせたようなグルーヴで、47都道府県を制覇するまではやっていこうと思っています。

この企画を始めるに至った経緯（ほとばしる魂の叫び）は近日掲載予定の「ぷりぷり伊能プロジェクト全国測量の前に」を読んでいただくとして、記念すべき測量1回目は名古屋のわかめさんに目撃ドキュン！「名古屋が大好き！！音楽が大好き！！お祭りが大好き！！！」をモットーに、かの地の音楽シーンを盛り立てまくっているイベント「龍宮ナイト」の主催者です。もともと会ってみたい方だったので、2012年2月、大阪でのGEZAN主催イベントの打ち上げで初めてお話しできたときは嬉しかったなあ。エキセントリックでコケティッシュな出で立ちながら、シャイで落ち着いた佇まいが印象的でした。2013年4月に東京で行った筆者の自主企画に駆けつけてくれたのにもグッときました。

わかめさん、「龍宮ナイトは情熱だけの熱血イベント」と見られることに対する反発心のようなものがずっとあったのだそう。今回の文章を読んで、情熱があるのは当たり前、実際はもっと広く見ていないとやり続けられませんよね…という気持ちに。そしてずっと名古屋生まれ名古屋育ちだと思っていたら、実は○○県出身だったのにもびっくり。爽快でかっこいい語り口をぜひとも読んでもらいたいです。そんなこんなで日本各地のリアルカルチャーを求めて、ここからHEATHAZE全国測量の旅が始まります！どうぞお付き合いくださいませ。（HEATHAZE主宰・福アニー）

2006年から名古屋で「龍宮ナイト」という個人イベントをやっているわかめと申します。スキマ産業でやっていますので「お前誰やねん！！」と思われるのは重々承知なのですが、急遽HEATHAZEさんから情熱的なご依頼を受けましたので、文才がないながらも書かせていただきました。「龍宮ナイト」のことは嫌いになってもいいので、名古屋のことは嫌いにならないでください！！！（笑）

音楽が好きだけど、音楽をやるのは自分には違うなーと思ってくすぶっていたときに、「十代暴動ナイト」というイベント主催者の長州ちからくんに、「わかめは自分のイベントいつ始めるの？」と唐突に言われたのがイベントをやり始めた一番のきっかけですね。自分がイベントをやる側になるという考えは微塵もなかったのですが、好きなバンドの名古屋ライブがなくて遠征ばかりしていた日々だったので、「そうか。自分でイベントやって名古屋に呼べばいいのか！！！」と目から鱗でした。

いまでこそ「ナゴヤトバシ」（編注：名古屋を飛ばしてライブをすること）は減ってきましたが、10年前は自分の好きなバンドはほとんど「ナゴヤトバシ」していたので、最初の半年はただ単に自分が好きだからという理由だけでバンドを呼んでイベント打ってました。

回を重ねていくごとに、名古屋のライブハウス経営の裏事情にも詳しくなりましたよ（笑）よく話題にされるバンドマンのノルマなどの話ですが、もちろんイベンターは1人で丸かぶり。ただ、そういった経済を知ることで「自称イベンター」のままではいけないんだなと気づいたのでよかったです。

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わかめさんが手がける別イベント「うずうず」でのWienners

イベント自体で一番印象に残っているのは――もう時効なので書いちゃいますが――「龍宮ナイト」で事故を起こして数百万円の借金ができ、もうイベントやれないと思ったときに、自分が大好きな大阪のバンドマン達が主催者となって、大阪で「がんばれ龍宮ナイト」をやってくれたことです。「龍宮ナイト」は名古屋以外ではやらないと心に決めているのですが、後にも先にも名古屋以外で「龍宮ナイト」をやったのはこのときだけです。そのときのライブ映像が『龍宮ナイトDVD』に収録されていますので、ぜひとも見ていただけたら嬉しいです。

2015年で9周年を迎える「龍宮ナイト」。率直な感想ですか？正直よくわからないです（笑）2006年の6月から始めたのですが、やるときに「10年100回」ってなんとなく頭にあって。長く続けてればいいってわけでもないし、数多くやってればいいってわけでもないし。ただ、好きでやってきた結果が回数であったり、年数だったり。ただそれだけですね。なので、10年やり続けて100回やれたときに、次どうしたいか考えようと思っています。

それからイベントを名古屋でやり続けているのは、単純に名古屋が好きだからです！！！佐賀県出身の私がなぜこんなにも愛知県が好きなのか自分でも謎ですが（笑）愛知県にはTURTLE ISLANDという世界的にも有名で素晴らしいバンドがいたり、彼ら主催の「橋の下世界音楽祭」という素晴らしいイベントがあったり。「TOYOTA ROCK FESTIVAL」や「森道市場」、音楽イベントに限らず「名古屋めし」など。自分達が住む街に楽しいお祭りが多すぎるというだけですかね。

あと地方とか都市とか、あんまり深くは考えていないつもりです。日本経済の中心なので、都市で流行っているものなどいいところは貪欲に吸収しようと市場調査はいろいろチェックしています。バンドをチェックするというより、イベントのやり方などを勉強させてもらっているかな。インターネットについては良くも悪くも「手段」だと思っているので、そこだけで終わってほしくないです。音楽に限らずすべて基本は人間が生み出しているものなので、実際現場に行って生で体験してほしいと思っています。

そして、これを書きたいがために今回オファーを受けたと言っても過言ではありません！！！名古屋で注目していただきたいことは数多くあるのですが、私が言いたいのはこれです！！

先述したTURTLE ISLAND主催で、2011年から続いているイベント「橋の下世界音楽祭～SOUL BEAT ASIA～」。2015年は4年に一度の大祭「橋の下世界音楽祭～SOUL BEAT WORLD～」となって、5月22日（金）、23日（土）、24日（日）に開催決定！！完全投げ銭方式で行われる「橋の下音楽祭」、自分が目標にしているイベントのひとつです。ぜひとも全国から見に来ていただきたいです。

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「龍宮ナイト」も2014年から参加させてもらっていて、2015年は4月19日（日）から25日（土）まで行われる「7Days Warrrrrrr」も物凄くアピールしたいのですが、思い入れが強いのでこれは別でHEATHAZEさんに特集組んでもらいましょう！！（編注：がってん承知の助です！！）バンドマンやイベンターらいろんなジャンルの仲間でライブハウスをジャックして、企画者日替わりで一週間ぶっ続けで行われるイベントです。

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イベント運営は辛いことの方が多いので、はっきり言ってイベンターはオススメしません（笑）ですが、自分は今日まで続けてきたおかげもあって、名古屋の諸先輩方にも熱意だけは認められてきたことが最近は嬉しいです。個人・プロ問わずイベント運営のやり方などさまざまなものを見て、「龍宮ナイト」はどういうイベントにしていきたいかを考えていくのが楽しいですね。あと、これは始めたときから変わりませんが、お客さんがどうしたら喜んでくれるかを考えるのが一番楽しいです。楽しそうに演奏するバンドマンを幸せそうに見てるお客さんの笑顔を見られた時がイベントやっててよかったなーと一番実感します。そこがイベントをやり続けてしまう一番の魅力ですかね。自分にとっての「龍宮ナイト」は、その名の通り「龍宮城」です。日々の生活もしつつ、「龍宮ナイト」をやっているときだけはまた違う世界を楽しめるというか。あんまりうまく言えませんが。

全国のみなさんにお伝えしたいことは、口だけの人は信用しちゃいけないってことですかね（笑）何事も行動して初めて意味があると思います。失敗しても死ぬわけじゃないので、とりあえずやりたいことはやったらいいと思います。そして、最後まで読んでいただき本当にありがとうございました。私に文句言いたい人もいると思いますが、苦情は手紙でしか受け付けませんので、「龍宮ナイト」に来て直接渡してください。インターネットの簡単なツールじゃあなたの怒りは伝わりませんから（笑）

最後に。こんな名古屋の変人にオファーしていただいて、本当にありがとうございましたヽ(´▽｀)/

龍宮ナイト
わかめ　＜・）））））｛

※ぷりぷり伊能プロジェクト測量2回目社長（radioDTM・東京）はこちら。