PIP_Falus_mini
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ぷりぷり伊能プロジェクト 測量7回目 Falus(大阪)――V8(古川正路)、舘脇悠介、La_Repriseによる最先端音楽のトーク&視聴会、最新回ゲストにDirty Dirt

PIP_らるぷりさん

 

La_Reprise

 

――まずは簡単な自己紹介をお願いします。

 

La_Reprise:こんにちは。La_Repriseことらるぷりです。本日は宜しくお願い致します。

 

――ざっくりで構いませんので、小・中・高・大・社会人に至る音楽遍歴を教えてください。

 

La_Reprise:中学の時にAerosmithやBon Joviに出会ったことから始まって、そこから色々な音楽を聴くようになりました。中高の頃に丁度流行りもあってポストパンクというジャンルに触れて、より視野が広がった気がします。ブームの中心に居たEditors、Interpolを始め、その祖であるBauhausやJoy Division、あとはNeils ChildrenやLillies and Remainsなども好きでよく聴いていました。それと並行してテクノを聴き始めて今に至っているという感じです。テクノを掘っていく中でヴェイパーウェイヴなど、インターネットを中心に流通する音楽にも出会っていきました。今はその流れでシティポップ~AORとテクノを中心に聴いています。

 

――そのなかで絶対に揺るがない普遍的な一曲は?

 

La_Reprise:アルバムになってしまうのですが、Richie Hawtinの『DE9:Closer to the Edit』です。

 

――古川さんにFalusをやろうと声をかけられて、どう感じましたか?

 

La_Reprise:嬉しさと同時に責任を感じました。その時は丁度Hi-Hi-Whoopeeが終了してまだ間が無かったですし、本当に僕で良いのかとも思いました。関西のシーンにはそれだけ良いリスナーの方が沢山居られるので。ただ、古川さんも仰っていますが、表に出てる出てない関係なしに「よくわからないけど面白い奴がいるからみんなで聴いてみよう」というイベントのスタンスに共感できたので参加を決めました。

 

――「トークショー」のよさはなんだと思いますか?

 

La_Reprise:近さだと思います。何なら演者の側も他の人の解説を見て聴いて勉強するという距離感を作れるのがFalusをこういう形で開催した理由だと僕は考えていますし、「今こういう面白い奴がいるぞ」とすぐ出せるライブ感が良さだと思います。古川さんのユーモアと舘脇さんの解説も相まって、個人的には良い感じの距離感が醸成されてきたと感じています。

 

――2015年、圧倒的再生回数を誇る一曲またはアルバムを教えてください。今年リリースのものでなくても構いません。

 

La_Reprise:Liturgyの『The ARK Work』とAcrylの『Acryl』。

 

Liturgy『The ARK Work』

 

Acryl『Acryl』

 

――2015年12月、Dream CatalogueからSandtimerの『Vaporwave Is Dead』がリリースされました。そこには「On the fourth anniversary of the birth of vaporwave, we are delighted to inform you that vaporwave is, at last, dead. Welcome to the new era.」とありますが、これは逆説的であり更新していく気概をも感じさせます。Vapor Drawingsでも2814やGLRについて新たなありようを書いていましたが、いまの、そしてこれからのVaporwaveをどのように見ていますか?

 

La_Reprise:まず、仰られた作品は一つのミームとして「Vaporwave Is Dead」と言っているのだと思いますし、その言葉を乗り越えようという意思も感じます。それを踏まえて、今のVaporwaveはジャンルではなくて、あり方だと思います。最新号のSTUDIOVOICEでOneohtrix Point Neverもこう答えていましたが、Vaporwaveは「凄く簡単」なロジック、つまりサンプリングで出来ています。そこから驚くほど個性的な音楽が出来るということを「発見」したことが若い世代のリスナーや作り手に未だに影響を与え続けている要因だと思います。今はもっと複雑な方法で音楽を作る方が増えましたが、誰でも作り手になり得るという可能性を提示したという意味で、方法論としてのVaporwaveは死なないし、これからも新たなフォロワーを生み出していくのでは無いでしょうか。

 

――そうしたなかで、「俺のVaporwave3曲」を一言添えて教えてください。

 

La_Reprise

●Fuji Grid TV「ssun dreamss」:この曲からVaporwaveが好きになりました。

●Internet Club「DREAM 3D」:想い出がいっぱい。

●2814「恢复」:現行のナウいVaporwave。

 

Fuji Grid TV「ssun dreamss」

 

Internet Club「DREAM 3D」

 

2814「恢复」

 

――2010年代を踏まえて、2016年の音楽はなにがクルと思いますか?地域、ジャンル、フォーマット、造語、リバイバル、なんでもOKです。

 

La_Reprise:既にその兆候はありますが、一つの傾向としてインダストリアル~テクノとメタルがもっと近づくと思います。そういった音楽が個人的に聴きたいというのもあります。

 

――オールジャパンで構成された多人数参加型音楽ブログ「Hi-Hi-Whoopee」のライターとしても活躍されていましたが、HHWはLa_Repriseさんにとってどういう存在でしたか。また、その後の音楽を取り巻く「発信」のあり方について思うところがあれば教えてください。

 

La_Reprise:HHWは僕を育ててくれたところです。読み手として見ているときは知らない音楽を教えてくれる場所でした。今でも交流のある方が多いですし、感謝しかないです。「発信」に関しては、今もそうですが今後そのスピードが益々速くなると思います。Apple Musicのような存在が出来て、有名な音楽から未知の音楽までフラットに誰でも発信することができるようになったので。リスナー目線で音楽を紹介するレコメンダーという存在も徐々に注目されはじめてますよね。今後は今以上に切り取り方が大事になると思います。

 

――現在、Twitterのアカウント名が「ゆめタウン」(編注:中四国地方を中心にイズミが展開するマーケット)ですが、La_Repriseさんは中四国地方ご出身なんでしょうか?かの地の文化的土壌はどういうものですか?鳥取好きなものですみません(笑)

 

La_Reprise熟村さんのインタビューでも聞かれてましたね(笑)その通りで出身は広島です。率直に言えば、都会と比べるとやはり文化的に行き届いていない部分はあると思います。それは帰省する度に感じます。ですが、その中でもバイタリティに溢れた人は居て、ネットの発達でそういった人たちにとって場所は関係なくなってきているとも感じます。だからこそ、そういった人がより活躍するために都市圏に住む我々がどういう風にすれば良いのか、考える必要があると思います。

 

――La_Repriseさんと言えば古今東西のセクシー女子大好き!というイメージですが、いま一番おすすめの悩殺ショットを貼ってください(メディアで掲載できる範囲で)。

 

La_Reprise:メディアに掲載できないので貼りません!(笑)

 

――音楽以外で2015年にハマったことは?

 

La_Reprise:ちょっとここじゃあ言えません。

 

――他の3人について、一行のレコメンド文を書いてください

 

La_Reprise

●古川さん:人を面白いことに巻き込むのが上手いです。それと何か闇がある。

●舘脇さん:人として尊敬すべき点が多いです。それと何か闇がある。

●Dirty Dirtさん(ゲスト):筋の通った真っ直ぐな方。それと何か闇がある。

 

――古川さんのにかぶせてきましたね(笑)最後に、全国のみなさんに一言!

 

La_Reprise:お手柔らかにお願いします。

 

※最後は東京からのスペシャルゲスト、Dirty Dirtさんです!