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TOMO(STYLE BAND TOKYO)コラム「流行りの音を紹介するだけなら他でやればいい」――国内外のインディー・ロックを紹介し続ける名物オーガナイザー、開催直前の7周年記念パーティーを語る

STYLE BAND TOKYO(SBT)のオーガナイザーのTOMOです。2007年夏に始まったSBTのパーティーも今年で7周年を迎え、11月3日(月・祝)にTSUTAYA O-nestで7周年アニバーサリー・パーティーを開催します。

 

同じイベントを7年間続けるということ、とても大変なことです。バンドは生き物のようだ、なんて言葉を耳にしますが、イベントもバンドと同様に生き物のようだと思うことがあります。そして全ての生き物に共通することは、生き物にはピークがあり、生まれた時に唯一決まっている事実はいつか終わりがくるということです。イベントを辞めるの?みたいな書き方をしてしまいましたが、別にそういうわけではございません。ただし、物事を回していくには心体と資金が必要になります。資金がなくなると体力がなくなり、体力がなくなるといずれ精神も疲れて、続けることが困難になります。もちろん金銭的な理由以外にも、環境の変化など様々な理由がありますが、僕自身この7年間で辞めてしまった良質なイベントや解散したバンドを沢山見てきました。そんな中で7年間という期間、決してメジャー志向ではなく、むしろ「こういうものはどうですか?」というインディーからの挑戦的な提案でありたいと考えているこのイベントがここまで続けられているのは、ひとえにイベントに遊びに来てくれるお客さんあってのことだと思います。何か大きな後ろ盾があるわけでもないDIYな存在のSBTパーティーが7年間続いているということは皆さんのおかげであり、それはとても誇らしいことです。

 

イベントの始まりは2007年夏、Psysalia Psysalis Psyche、Lillies and Remains、 PLASTICZOOMS、White Scooperの4組のバンドと共に渋谷LUSHで始まりました。当時はまだどのバンドもデビュー前で正式な音源もなく無名な状態でした。そんな中で、才能を秘めたバンドをどうすればもっと沢山の人に聴いてもらえるのか、新しい価値観やスタイルを持ったアーティストを当時のシーンの中で紹介していくのがSBTの初期衝動でありコンセプトでした。それからSBTでは海外アーティストの招聘や全国ツアー、コンピレーション・アルバムの発売から、アーティストのマネージメントまで幅広く手掛けてきました。そして7年間経った今、SBTでは原点回帰をテーマに時間は経っても大切な物や当初のコンセプトは何も変わっていないのだと再確認しています。

 

 

 

今回のSBT7周年パーティーにはUKから3組、国内から9組の計12バンドが出演しますが、その内9バンドがアニバーサリー・パーティーであるにも関わらず初出演のバンドとなります。海外からは、ロンドンとストックホルムを拠点に現在急成長中のインディー・レーベルPNKSLM Recordings(パンクスライム)からリリースするバーミンガム出身のガレージ・パンク・バンドBlack Mekon、そしてパンクスライムのレーベル・オーナーであるLukeのソロ・プロジェクトLucern Raze、さらにはイギリスではFat White FamilyやThe Jon Spencer Blues Explosionのサポート・アクトを務めるなど活躍中のガレージ/パンク/サイケなガールズ・バンドAbjectsが出演します。

 

バーミンガム出身のガレージ・パンク・バンドBlack Mekonがマジでヤバいです。

 

USのBlack Lipsを彷彿とさせるLucern Razeの悪ガキ感、こちらもライブに期待!

 

国内からはスペシャル・ゲストにギターウルフの出演が決まっているほか、アメリカやヨーロッパでもリリースし様々なフェスにも出演する東京発逆輸入サイケデリック・バンドの幾何学模様が出演。そして元Psysalia Psysalis PsycheのToRu MaTsuMoToを中心に結成された新バンドTRMTRM、さらには元Psysalia Psysalis PsycheのメンバーとVeni Vidi Viciousの入江良介、HATENOHATEのHALUNAのバンドであるCoyote Milk Storeが出演と、2012年に惜しくも解散したサイサリファンには嬉しい内容になっています。 その他にもロンドンで結成されたノイズポップ・轟音ギター&ベース・デュオUmez、UK結成のサイケ・ポップ・バンドDay and Buffalo、大阪で活動するまだ若干20歳のローファイでセンチメンタルな3ピース・ガールズ・バンドJESUS WEEKEND、ASIAN KUNG-FU GENERATIONの後藤正文がファースト・アルバム『Two Of Strongest』のエンジニアを手掛けたことで話題のNAHAVAND、静岡出身の注目の新世代the piqnicなど、ガレージ、パンク、サイケ、ラップ、シューゲーズ、ノイズなど多種多様なジャンルに分かれながらも、SBTがこれからの活躍に期待する各々が独自のスタイルを持った注目のアーティストが出演します。

 

アジカンのゴッチもオススメするNAHAVAND。

 

ブラスバンドを組み込んだTRMTRMのライブにも注目。

 

SBTでオススメするアーティストはもしかしたら今の日本の流行の音楽とは少し違うかもしれません。流行りの音を紹介するだけなら他でやればいいし、僕個人として今流行りの音自体が何かのリバイバルのようにしか聴こえないから目新しさを感じていないというのも事実です。既に出来上がった畑を耕して皆と同じものを作るよりも、何もない所から掘り起こして生まれた突然変異みたいなものに魅力を感じるようなへそ曲がりです。「ロックンロールはスタイルなんだよ!」と以前にN`夙川BOYSに出演してもらった時にマーヤさんがステージで言っていたのを今でも鮮明に覚えています(そういえばその時もギターウルフが出演していました)。ロックンロールがジャンルだけを指す言葉ではなく、人のスタイルであり生きざまを指しているとすれば、SBTに出演するバンドも同様にそれぞれのスタイルを築いているアーティストだと思います。そんなアーティスト達が出演するSBTの7周年パーティー、どのバンドも見て欲しいバンドばかりです。遊びに来てもらえたら、楽しんでもらえる自信はあります。皆様に会場でお会い出来ることを願っております。

 

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●Information

◆STYLE BAND TOKYO 7th ANNIVERSARY PARTY

2014年11月3日(月・祝)@TSUTAYA O-nest(2フロア使用)

開場15:30/開演16:00

チケット:前売3200円/当日3700円(1ドリンク別)

e+、ローソンLコード【76469】、ぴあPコード【244-860】等、各プレイガイドにてチケット発売中!

 

メール予約:stylebandtokyoparty@gmail.com

※チケットをご予約の際は、お客様のお名前(フルネーム)、希望枚数、また希望の公演日程をご記入の上ご連絡下さい。

 

LIVE:Black Mekon (UK)、Lucern Raze (UK)、Abjects (UK)、ギターウルフ、幾何学模様、TRMTRM、Coyote Milk Store、Day and Buffalo、JESUS WEEKEND、NAHAVAND、the piqnic、Umez

DJ:TOMO(STYLE BAND TOKYO)、U-HEY(Black Neon Party)、HMS CONTROL、Judy(Kinski)、Wizzjones、DAIZO(THE SOUND OF RAIN)、TOMMY(BOY)、Bang The Noise、FM、みんなの弟きくりん

 

詳細:http://stylebandtokyo.com/