唐突ですが、横浜生まれ横浜育ちの筆者にとって、東京はなんとももやっとした存在です。みなさんが横浜と聞いて思い浮かべるような横浜（横浜港に面しているみなとみらい）より渋谷に出るほうが早いし、出身聞かれても絶対に「神奈川です」とは言わないし、でも生粋の江戸っ子じゃないし…と、東京と神奈川に引き裂かれた自我は複雑です。しかも異性に対しておかしな敵対心を抱き続けてきたので、東京生まれ東京育ちの男子、となると話はさらに厄介。いまだにちょっと身構えてしまいます。そんな周りの東京男子を注意深く見ていると、一定の傾向があるような気が。まずお洒落してないのになんかお洒落、飄々としている、カリカリしていない、しゃしゃり出ないものの静かな自信に満ちている、そしてなにより熱すぎない。これがメガシティボーイの余裕ってやつ！？ 横浜女子における東京男子、それは永遠に近くて遠い存在なのです…（多分に色眼鏡をかけてお送りしています）
というわけで、全国各地のイカした人や場を発信していく日本横断企画「ぷりぷり伊能プロジェクト」、測量2回目は東京男子レペゼン・社長にご登場いただきました！2009年にスタートした音楽ポッドキャスト番組「radioDTM」のパーソナリティを務めています。ちょうどその頃に東京のオルタナティヴ・ロックバンドに魅了された筆者は、導かれるようにradioDTMを探し出し、しかと聴いていたのでした。一時期オワリカラの活動の手伝いをしていたときは、ギター＆ボーカルのタカハシヒョウリと収録スタジオ（自宅の一室）に行ったことも。そのDIY精神に打たれ、「配信200回記念イベント」時にはコラムも寄稿いただきました。あれから2年。お互いコツコツ続けてきて、またこうして社長の文章を掲載することができて本当に嬉しく思っています。
社長が東京男子ということはこの文章を読んで初めて知ったのですが、確かに上記の立ち居振る舞いが当てはまる当てはまる！個人的に笑い声も好きなんですが、聞くとしょうもないことでいらいらくよくよしている場合じゃないや、となるんです。それもこれも、彼が醸し出す「軽み」がなせるわざなのかもしれません。（HEATHAZE主宰・福アニー）
どうも。radioDTMパーソナリティの社長です。radioDTMについて知らない方はプロフィールを読んでください。もっと知りたい方は、約2年前に開催した「配信200回記念イベント」の時に書いたコラムを読んでください。もっと知りたい方は「radioDTM」と検索してHPを見て、ポッドキャストを聴いてください。もっと知りたい方は連絡ください。
ほんで、なぜ今回スーパークールなカルチャードキュメントサイト「HEATHAZE」に僕が君臨したかというと、radioDTMが配信300回を迎えたからです！「おめでとう！」「祝！radioDTM！」そう言ってくれる人がもっと増えると思っていたのに…誰も言ってくれないよ…でも、HEATHAZEはそう言ってくれる数少ない愛すべき場所なんです。ありがとうございましゅ！
300回というのは、毎週配信している我々にとって約300週ということであり、300週というのは約6年である。6年もやっている。毎週コツコツと。ラジオを。たくさんのゲストが来てくれて、たくさんの音楽が流れて、たくさんの会話が生まれた。200回記念イベント時のコラムに、そういうことはたくさん書いてるので割愛。今回は200回～300回の間に感じたことをツラツラと。
radioDTMプロデュースのPV企画「videoDTM:PRO」でのHEATHAZEイチオシ
太平洋不知火楽団「Dancing Hell -can’t help fallin’-」のPV
個人的には、この100週間で最も大きかったのは、喪失感と達成感だろうな。近しい人を亡くしたり、扁桃腺が腫れやすいからってことで扁桃腺を喪失したりした。そしてその直後にはTBSラジオ系列で全国放送されていた「ミュージックナビ」という深夜ラジオ番組で、「佐藤ナウのインディーズナビ」というコーナーを1年間やらせてもらった。お気づきかもしれないが、民放では「社長」という名前がややこしすぎて、「佐藤ナウ」に改名したのだった。民放レギュラー獲得の達成感とともに「社長」という名前を喪失したのだ（民放限定。radioDTMではいまだ社長として活動中）。しかしまぁ、毎週TBSに通って、ラジオ収録するなんて夢にも思ってなかったよ。それもすべて「続けてきた」ことが大きいのかもな、とやっと思えるようになってきた。そりゃ300回も続けてくれば、radioDTM以外のいろんな場所にも行けるし、活動の幅も増えてくる。
それで、やっと本題ですけど、そんな「配信300回」を記念してイベントを開催する。これだけ続けてきて、どんなイベントにしようか迷ったけど、やっぱ一本筋の通ったものにしたかった。なぜ続けてこれたのか。これが大事。そしてこれはとても簡単なこと。それは「楽しい」からです！！！楽しくなきゃやってられない。そりゃそうでしょ、誰から頼まれたわけでもないしね。なので、今回のイベントのテーマは、「とにかく楽しむこと」。誰よりも、自分達が最高に楽しいと思える夜にすること。これが大きなテーマです。だから、全部打ち上げみたいなもんです。飲み会みたいなもんです。そんな気分で全然良い。オールナイトっていう形にしたのも、長い時間でいつ来ても帰っても良いしって思っていて、それでもやっぱ最初から最後までいちゃうなぁー！っていうタイムテーブルになる予定。飲んで食べてとにかく楽しむ。疲れるくらい楽しめるような場所を理想として開催します。お気に入りのアーティストだけじゃなくて、知らない音楽に出会えるようにジャンルレスにしたつもり。
少し土地の話をすると、東京ってのはそういうジャンルレスでジャンクなものが集まってくる場所であってほしい。僕ァ東京生まれ東京育ち下北沢を手ぶらで歩いてる29歳はだいたい友達って感じの人間なので、地方から来た人たちにとても刺激を受ける。「東京さ、すげえべ」みたいなこと言われたとしても、「そうですか？」って思ってしまう節もあって。なんていうか、妙な平熱感が渦巻いているような気がして、アツくなることがナンセンスみたいな空気感があるような。それはそれで否定はしないけど、東京生まれの僕としては、やっぱ東京から東京のおもしろさを発信するメディアでもいたいなと思ってるわけで。地方にたくさん行ってるわけではないから、知らんくせに偉そうに言うなと言われればそれでおしまいだけど。
まぁradioDTMというのは、そう考えると自分のアイデンティティを好き放題解放して、それを媒体としての役割とミックスできる場所なのかもしれない。だから音楽とか文化とかだけじゃなくて、ラーメンも怖い話も特集するんだろうな。いまはネットでどんな情報も手に入ると思うし、どこにいてもなんとな～くの空気感は把握できると思うんだけど、行列のできるラーメン屋があるとして、そこがどんなラーメンを出しているかはわかるけど、そこに並ぶ気持ちはわからないと思う。その店にたどり着くまでにどんな道を通って、どんな店を通り過ぎて、どんな椅子で待って、それから食うラーメンがどれだけ想像を超えてきたか。そこがいわゆる現場のおもしろさなわけで、その感覚を僕はradioDTMというインターネットメディアで発言していくのがおもしろいと思ってる。とりあえず全世界で聞けるからね。まずはその声を聞いてほしいなと思う。
だからさ、とにかく、来なきゃわからない楽しさっていうのが現場にはあると思う。それをこの100週間くらいで強く感じたのもあって、今回は情熱よりも思想よりも、楽しさを。その楽しさを糧に、今後も続けていけるようにがんばるので、みなさんもぜひご来場ください！！！地方からのお客さんも大歓迎ですよ！翌日おいしいラーメン屋連れて行ってあげますよ！（編注：社長の「ラーメン・レ・ビュー」もぜひご一読を）
4月17日、新宿LOFTで待ってますYO！
radioDTM
社長
※ぷりぷり伊能プロジェクト 測量1回目 わかめ（龍宮ナイト・名古屋）はこちら。
※ぷりぷり伊能プロジェクト 測量3回目 7Days Warrrrrrr（名古屋）はこちら。
●Information
radioDTM
Twitter：https://twitter.com/radioDTM
radioDTM配信300回記念イベント
2015年4月17日（金）＠新宿LOFT（ホールステージ＋BARステージ）
開演19:30／開場20:00 ※オールナイト公演になりますので、入場の際にIDチェックを行います。身分証をお持ちください。
チケット：前売3000円 (＋1D)／当日3500円 （＋1D） ※各バンド、radioDTMで予約受付中
プレイガイド：e+
出演：ECD＋ILLICIT TSUBOI／入江陽（バンド編成）／GAGAKIRISE／THEラブ人間／SuiseiNoboAz／Taiko Super Kicks／DJ MEMAI／どついたるねん／トリプルファイヤー／NATURE DANGER GANG／never young beach／Have A Nice Day!／マーライオン／mothercoat／吉田ヨウヘイgroup（五十音順）