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A,B,CIVILMAGAZINE 第4回 Far Farm――クリエイティブ集団・CIVILTOKYOが注目アーティストにインタビュー

「コード進行があるとアンビエントに行きやすいというか…説明できないよ!」(山田)

――みなさんは、以前からFar Farmでやっているような音楽をやっていたんですか。

 

山田:僕は前はロックバンドをやってました…ロックバンドだったのかな。

 

古口:ロックバンドでしょ!

 

ico!:ロックバンドだよ!ベースボーカルだったんですよ。

 

山田:Wanna-Gonnaはちょっと違うよね。

 

古口:どっちかというとカントリー的な…まあ、ロックバンド(笑)そっちでも鍵盤弾いてますが、Far Farmでは、Wanna-Gonnaとは全然違う感じでやってます。弾き方もめっちゃ変えてるし。

 

――変わったきっかけなどはありますか。

 

古口:僕は打ち込みとかはやってなかったですけど、通るじゃないですか。僕の場合、Boards of Canadaとかに引っかかって、こういうのやってみたいな、と思いました…そうだ、僕がTwitterで「James BlakeかThe Postal Serviceみたいなことやりたい」っていう両極端なツイートをしたら、山田がめっちゃ面白がったんですよ。

 

山田:そんなこと思ってもなかなかツイートしないな、と思って(笑)でもわかる、やりたいと思いました。

 

――前からやっていた音楽と全く別のことをやるということに、不安などはなかったんですか。

 

古口:やりたい欲望が結構あったので、割とすんなりでしたね。

 

04_20150904marz_photo_koguchi「Wave a flag, baby tonight」2015/9/4 新宿Marz

 

――ico!さんはどのような活動をされてきたんですか。

 

ico!:私が一番意味不明なんですけど…Far Farmに入るまで、なにかに所属したことはなかったです。ジャズ・ブルース・ボサノバ界隈の、小さなコミュニティでマニアックなことをやってるような場所に出入りしていて、そこにいるギタリストに誘ってもらったりして今でもセッションしたりしています。

 

古口:ホーメイとかも。

 

ico!:そう、ホーメイとかホーミーとか、特殊発声をやっていらっしゃる方のワークショップにも行っています。

 

――山川冬樹さんとかですか?

 

ico!:私が行っているのは現地の方がやっているワークショップですね。あと、「滞空時間」っていうバリ島のガムラン音楽をやっている日本人の集団がいるんですが、その中の徳久ウィリアムさんという方と一緒にやったりとか…私、もともと舞台をやっていたので、その場で生み出されるエクスペリメンタルなものや即興音楽が好きなんですよ。だから、そういう人にアイディアをもらいながら、でもあくまで歌だけでやってますね。

 

――そういった活動があるからこそ、金色の雨を見ることができるのかもしれないですね。

 

ico!:それはあるかもしれないですね。他にもバンドのサポートコーラスもやっていたんですが、Far Farmみたいなことは以前からやりたいと思っていましたし、実際いい出会いだったのでありがたかったですね。

 

――Far Farmの曲は以前のEPから聴かせていただいていますが、浮遊感のある音楽の中で、シャンソンやブルースのように下から歌い上げるような曲もあれば、8ビートと4ビートが重なり合って、たくさんのメトロノームのテンポが合っていくようにリズムが合っていく、物理的な法則を感じさせる曲もある中で、あれだけ歌い上げられる人がいるというのはすごいと思います。

 

ico!:すばらしい表現をしていただいちゃった!

 

山田:今のは書いといてほしいですね。

 

 Far Farm「Secret」

 

――そもそもなんですが、まず音楽を好きになって、そして音楽をやろうと思うわけじゃないですか。そういった音楽に関する原体験みたいなものってどこにあったんでしょうか。

 

古口:難しいですね…

 

――初めて自分で買ったCDとかお聞きしてもいいですか。

 

古口:俺はeastern youthです。「極東最前線」だったかな?中3か高1の時ですね。

 

――結構遅いですね。

 

古口:家に親父の60~70年代のレコードがたくさんあったので、それまではそれを聴いてましたね。ひょっとしたらちっちゃい頃にだんご3兄弟とか買ってるかもしれないですけど。

 

――家にはどんなレコードがあったんですか。

 

古口:ビートルズとかボブ・ディランとか、グレイトフル・デッドとかですね。

 

――演奏はいつ頃から始めたんですか。

 

古口:僕の母親が音大の声楽科出身で、ピアノの先生をやっていたんです。それで小学校くらいまでピアノをやっていました。その後野球をやったりして一旦離れたんですが、中学校くらいで友達がバンドやるから、ってことでピアノで参加して、っていうのが自分でやり始めたきっかけですかね。山田は?

 

山田:僕が一番最初に買ったのはGreen Dayのベストです。

 

ico!:いいじゃん!

 

山田:あんま聴かなかったですけど(笑)

 

――その頃は他にどんな音楽を聴いていましたか。

 

山田:親に奥田民生を勧められて聴いてましたね。

 

古口:最高じゃん!

 

山田:母親がビートルズのおっかけで、昔からそういう音楽が好きだったんですよ。山達とか。あとはミスチルとかスピッツが流行ってたんで、そういうのも聴いてました。

 

古口:そこからどうやってエレクトロニカの方向に行ったの?Boards of Canadaとかアンビエントとか。

 

山田:結局90年代の音楽って、コード進行があって、っていうものですけど、コード進行があるとアンビエントに行きやすいというか…説明できないよ!自分としてはつながってるんですけど…

 

――一番最初は奥田民生やミスチルを聴いて、バンドやりたいな、と思った感じですか?

 

山田:それはそうですね。初めてバンドを組んだのは高1の時に友達とです。

 

――どんな曲をやりましたか。

 

山田アジカンとかELLEGARDENですね。

 

ico!:Red Hotかな?

 

山田:Red Hotはやってない(笑)ico!ちゃんは?

 

ico!:私は、普通にJ-POPが好きな子供でした。母親が中西圭三とか久保田利伸みたいなR&B系や、ドリカムと米米クラブが好きで、車の中でカセットテープを流してたので、ちっちゃい頃からそういうのが好きだったんですよ。そういうのを、言葉もわからないけど空耳で歌ってたのが幼稚園くらいですね。最初に買ったのもドリカムのアルバムだったと思います。教育テレビのみんなで歌おうみたいなのは大っ嫌いでした。

 

――ませてますねー。

 

ico!:音楽は歌うのが最初から好きだったので、自然と節回しとかハイトーンとかに耳に慣れてて、そういうのがかっこいいと思ってたんですよね。ホイットニー・ヒューストンとかマライア・キャリーとかも車で流れたので好きでしたね。