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icon 2015.1.24

ペンネンネンネンネン・ネネムズのメンバーが語る「俺と映画」――サイケデリック&ドリーミーな5人組バンドのEPから浮き彫りになった映画愛

藤井毅

映画と映画館が好きだ。
できれば年がら年中映画を観ていたい。

自分はペンネンネンネンネン・ネネムズというバンドで音楽をやっているわけだけれども、音楽を好きになったのは家族の影響が大きいと思う。
車の中ではいつも父親が好きなビートルズやサイモン&ガーファンクルがかかっていたし、母親はローリング・ストーンズ、姉はフリッパーズ・ギターなんかが好きだった。

特に兄は学生の頃、家でUB40のプレスリーカバーなんかを熱唱していて、今考えるとなんか気持ち悪いなと思います。

 

UB40「(I Can’t Help) Falling In Love With You」

 

同じように映画も家族の影響で好きになったように思う。
小さな頃からビデオをレンタルしてきて家で観る習慣があり、『男はつらいよ』『釣りバカ日誌』『インディ・ジョーンズ』『バック・トゥ・ザ・フューチャー』『ターミネーター』『ホームアローン』『アダムス・ファミリー』『ポリスアカデミー』などなど、そういう鉄板のホームムービーを金曜ロードショーで観るのはすごく楽しかった。

 

ジェームズ・キャメロン監督『ターミネーター2』のトレイラー映像

 

一方で、母親がレンタルしてきた『シンドラーのリスト』を観て小学生ながらも完全にどんより~ということもあった。
でもそういう体験もひっくるめて、知らない世界を体験するような感覚は楽しかった。
両親は「子供にこういうシーンは観せちゃだめ」みたいなものがあまりなく、ホラーでもベッドシーンでも子供にとって少し過激な描写があってもかまわずに観せてくれていたのはありがたいなと思う。
ちなみにその頃の兄は自分の部屋に『恋する惑星』のポスターを貼っていたのだが、今考えるとなんか気持ち悪いなと思います。

 

スティーブン・スピルバーグ監督『シンドラーのリスト』のトレイラー映像

 

自分が中学生くらいになったくらいのときに姉は、レオナルド・ディカプリオとかジュリエット・ルイスとか、そういう外国の美少年、美少女にハマりだし、それらの出演作をたくさん観た。
中でも、『ギルバート・グレイプ』『ボーイズ・ライフ』『ナチュラル・ボーン・キラーズ』なんかは今も強く印象に残っている。
(姉は『オースティン・パワーズ』みたいなオゲレツな映画も大好物な女子です。)

 

ラッセ・ハムストレム監督『ギルバート・グレイプ』のトレイラー映像

 

もちろん映画音楽も好きで、最初のサントラ体験は大定番の『スタンド・バイ・ミー』だったと思う。
こちらも姉が持っていたものだが、例の「うぇざない!」のベン・E・キング以外にも、バディ・ホリー、ジェリー・リー・ルイスなど、お父ちゃんたちが懐かしがる名曲が多く収録されている。
それから大学のときにマイケル・ナイマンの映画音楽に出会うのだが、こちらはかなりハマりまして、サントラ以外の音源にも手を出したりした。
『Decay Music』というアルバムはサントラではないのだが今でも大好きだ。
ナイマンが音楽を手がけている映画は、やはり内容もおもしろいものが多い。
『ピアノ・レッスン』『髪結いの亭主』『ひかりのまち』あたりは音楽も聞きやすいしおすすめです。
邦画『ナヴィの恋』のエンディングもナイマンだ。
ピアノソロに登川誠仁の三線弾き語りが乗ってくるという構成でとても静かな気持ちになれる。

 

パトリス・ルコント監督『髪結いの亭主』のトレイラー映像

 

最近の映画で言えば、ジム・ジャームッシュの『オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ』は内容も音楽も最高にクールだった。サントラ買いました。
あとはデビッド・フィンチャーの最近の作品『ソーシャル・ネットワーク』『ドラゴン・タトゥーの女』『ゴーン・ガール』の音楽を手がけているトレント・レズナーという男子は今ちょいと気になっている。
どうやら自分がまったく通ってこなかったナイン・インチ・ネイルズというバンドのメンバーらしいのだが、どの映画も知らず知らずのうちに気持ちが高まってくるような感じで音楽が素晴らしかった。
自分にそういう類の才能がないのは分かっているが、いつか映画音楽も作ってみたいなー。

 

ジム・ジャームッシュ監督『オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ』のトレイラー映像

 

ところで自分には音楽で言いたいことがほとんどない。
どちらかというと頭の中の映像をひっぱりだして音楽に変換したい、それを観てもらいたいという気持ちがある。
その映像はたぶん映画的なもので、いろんな体験から映し出されるのだけれど、映画を観ることで蓄積されることが多いように思う。

今、ペンネンネンネンネン・ネネムズで作っている新曲は、『不思議惑星キンザザ』という旧ソ連時代のSF映画が元ネタになっているし、「海」という曲は『ボクと空と麦畑』という映画のラストシーンに、「インディゴ」という曲は『ポンヌフの恋人』でセーヌ川をボートでぶっぱなすシーンのイメージを拝借している。
「月世界旅行」や「山のあなた」という曲は映画のタイトルをそのまんま使っているし、もはや映画がないと曲もできないのではないかと疑うくらいである。

 

レオス・カラックス監督『ポンヌフの恋人』のトレイラー映像

 

ただ、自分がもっとも愛してやまないアキ・カウリスマキ監督の映画だけは好きすぎて曲になる気配がまったくない(その点、神ノ口くんはサラッと曲にしているのでくやしい~)。
いつかカウリスマキの映画の素晴らしさにも引けを取らない名曲が書きたい。

なにはともあれ、これからもたくさんよい映画を観たいです。

 

※ペンネンネンネンネン・ネネムズのファースト・フル・アルバム『東京の夜はネオンサインがいっぱいだから独りで歩いていてもなんか楽しい』のメンバーによる全曲解説とアートワーク公開はこちら

 

 

 

●Live Information

ペンネンネンネンネン・ネネムズのセカンドEP『ストラトキャスター/浮き雲』リリースツアー

 

◆2015年1月31日(土)@岡山ペパーランド

開場17:30/開演18:00

チケット:1500円+1ドリンク

出演:ペンネンネンネンネン・ネネムズ/No Motion Pinks/uniTONE/穴あな/イロヅカン/holeman  and more…

詳細:http://www.pepperland.net/

 

◆2015年2月1日(日) @京都nano

詳細未定

出演:ペンネンネンネンネン・ネネムズ/butaji/アパート/THE FULL TEENZ

詳細:http://livehouse-nano.com/index.php

 

 

 

●Release Information

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ペンネンネンネンネン・ネネムズのセカンドEP『ストラトキャスター/浮き雲』

 

価格:500円(税込)

販売場所:ライブ会場物販(200枚限定)

レーベル:PENNENNENNENNEN NENEMS RECORDS(自主制作)

 

 

 

 

 

 

 

Band Inrofmation

ペンネンネンネンネン・ネネムズ

 

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