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icon 2014.4.9

ペンネンネンネンネン・ネネムズ『東京の夜はネオンサインがいっぱいだから独りで歩いていてもなんか楽しい』メンバー全曲解説&アートワーク公開

はじめに

 『東京の夜はネオンサインがいっぱいだから独りで歩いていてもなんか楽しい』はペンネンネンネンネン・ネネムズの1stフルアルバムです。
 ペンネンネンネンネン・ネネムズは2名の男性ボーカル&ギター、ベース、フルート&キーボード(若妻)、ドラム(サポートメンバー)の計5人で構成されています。また、2名の男性スタッフが打ち上げで深酔いします。
 『東京の夜はネオンサインがいっぱいだから独りで歩いていてもなんか楽しい』には、ファンタジーもドキュメンタリーも、ノスタルジーもコンテンポラリーも、アナログもデジタルも、サイエンスもオカルトも、いろいろのもろもろがあべこべにまぜこぜにつまっています。ポッコリ。(林)

 

※ペンネンネンネンネン・ネネムズのセカンドEP『ストラトキャスター/浮雲』リリース記念、メンバーが語る「俺と映画」はこちら

 

 

全曲解説

1.byebyebyebyebyebyebye…

 例えばフェデリコ・フェリーニの「カビリアの夜」っていう映画のラストシーンでは「悲しい」と「優しい」が絶妙に混ざり合ったラストシーンが用意されている。ぼくはそういう瞬間がたまらなく好きだし、そういう瞬間以外はあまり重要じゃない気さえする。音楽でもそんなことが表現できたらとても素敵だと思っている。(神ノ口)

 

 

2.東京の夜はネオンサインがいっぱいだから独りで歩いていてもなんか楽しい

 新宿の歌舞伎町でお酒を飲んでいた。夜の23:30くらいで終電が近かったぼくはみんなより早めに切り上げJR新宿駅まで独りで歩いていた。iPodで音楽を聴きながら。たまたま一瞬眼鏡をはずした。色とりどりのネオンサインがぼやっとなって音楽とお酒が混ざり気持ちよいサイケデリックとなった。それで新宿の夜に合う曲を作りたいと思った。コード進行はちょうどこの頃よく聴いていたマイケル・ナイマンに似ていると思う。あとラップをしてみたかった。これがラップと言えるならだけど。(神ノ口)

 

 ヒップホップは一時期よく聞いていたんだけれど、自分で作ったことはなかったのでぼくのパートに関してはMakkenzというとてもかっこよい人を参考にした。 でもぜんぜんまったくからっきし真似できなくてその結果、ある意味個性的なポエトリーリーディングみたいな感じになったというわけです。Makkenzさんはすごいなあと思いました。(藤井)

 

 

 

3.月世界旅行

 JR武蔵浦和駅の武蔵野線のホームから見えた月がでかくて丸くて赤くてなんかいい感じだったので、そのときの景色をパチリと切り取って曲にした。この曲を作ったときはなにやらいろいろと疲弊していてどこまでも逃避したかったのだと思う。古い映画に「月世界旅行」という作品があるけれど、あんな風に軽やかに逃避行していきたいものです。ちいちゃん(圓山千紘)のフルートが軽やかなので大変気に入っています。(藤井)

 

 

4.山のあなた

 どっかの国にカール・ブッセさんという詩人がおりました。彼の詩を上田敏という人が和訳しており、そのひとつに「山のあなた」という詩があります。この詩がちょー最高なので引用した。幸福というものをテーマにした詩なんだけど、「あなた」は「君」という意味ではなく「彼方」という意味です。「山のあなた」は落語にもなっているし映画にもなっています。どちらも大変オモローなので見た方がよいと思います。秋の夜長、荒川の土手にMTRを持っていって虫の声を録音しにいったのをよく覚えている。(藤井)

 

 

5.beautiful bomb explosion!!

 バンドではかなり色々なアレンジを試したのだけれど、最終的には打ち込みのものを採用した。アルバムの中では異色であるけれど、ぼくらが聴く音楽の中にはもちろんこの手の打ち込みものはたくさんある。バンドには様々な可能性があるし、これはそのひとつに過ぎない。ジギー・スターダストの「New words – that only they can share in」という歌詞から連想を膨らまして曲を作った。(神ノ口)

 

 

6.gloopy gloopy

 ぼくが一時期ハマっていたWomenというUSインディーバンドの空気感を拝借しました。神ノ口くんの実家でギターのフレーズを披露したのを記憶しています。あるとき友人と飲んでいて音楽の話でテンションが高まり、そのテンションのまま帰宅して3時間くらいでどがーっとミックスしました。林くんのベースがかっこいいです。(藤井)

 

 

 

7.Ballad of Pennennennennen Mamimi

 童話「ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記」の冒頭、ネネムの妹であるマミミは人さらいにあい兄妹は離ればなれになる。物語のエンディングでふたりは再会する。ネネムは世界裁判長になって、マミミは奇術団のスタアになっていた。物語はそのあたりで終わるけれど、マミミがネネムと再会するまでの間どのように過ごし、何を想い日々を過ごしていたのか、そのあたりは描かれていない。歌詞はそんなマミミのサイドストーリーを描いたつもり。純粋なバラードになった。(神ノ口)

 

 

8.アンブレラ

 ダブやサイケの要素をふんだんに取り入れた曲。曲の構成やメロディに関しても、バンドにとっては新しいものだった。この曲をライブでやるとグルーウ゛のおかげでメンバー一同とてもアガル。そういう曲ってバンドに必要だと思う。とくに長くバンドを続けようと思うなら余計に。歌詞は真夜中の渋谷に雨が降ってくるのをイメージして書いたけれど、別に渋谷の歌ではないかな。(神ノ口)

 

 

9.真夜中に虹 (album version)

 何千何万もの虹が、真夜中の真っ暗闇の空じゅうに架かっているところを想像していたら、それはとてもきれいだろうと思った。でもそんな光景は世界が終わる時くらいにしかきっと見られない。この曲は違うバージョンが1st EP『フィーガロ フィガロト フィガロット』に収録されている。全然違うのでぜひ聴き比べてほしいなと思う。もちろん新しいアレンジのほうがお気に入りだけれど(笑)。(神ノ口)

 

 

10.海

 ペンネンネンネンネン・ネネムズを始める前からあったかなり古い曲。この曲のイメージは、高校の卒業旅行中にインスタントカメラで撮った写真、小川洋子さんの「海」という短編、それから小さい頃の断片的な記憶、などなどがごっちゃになってひとつになったという感じです。「東京の夜はネオンサイン〜」のMVの冒頭で使われている映写機の音やぼくの甥っこの笑い声なんかをサンプリングして、遠い古ぼけた記憶、なつかしさとかなんとかそういう感じが出せたらいいなと思って取り入れました。神ノ口くんのサビのギターのフレーズがかっこいいです。ぼくが作った曲の中でもっとも気に入っている曲だけど、世間のみなさんはそうでもないらしいですね。この曲がお気に入りというそこのアナタ!趣 味がよいですね!(藤井)

 

 

11.インディゴ

 今回のアルバムの中ではもっとも新しい曲じゃないだろうか。たぶんだけど。自分でもなんで「インディゴ」というタイトルなのかわけわかめですが、曲のイメージはカラックスさんの「ポンヌフの恋人」という映画のハチャメチャ感から拝借した。詞に関しては、言いたいこと言いたいように言いまくり〜!というテーマで詰め込みまくってみたらよい感じになった。ミックスは「アンブレラ」と「インディゴ」の二曲がいちばんうまくできたのではないかなと思います。ふっくん(ムラカミフミタカ)のフィルインがかっこいいです。(藤井)

 

 

 

12.byebyebyebyebyebyebye…(part2)

 ぼくにはこういう才能がある、ってことだな。えへん。(神ノ口)

 

 

13.サタデーナイトラブ (album version)

 バンドが始まった時からある、ぼくらを象徴する曲だ。この3分ほどの曲を聴いてもらえれば、ぼくらのことがだいたいわかるはず。とても頼りになるやつで、困った時はいつも助けられている。今回も1st albumの最後を軽やかに飾ってくれた。どうもありがとう!!と言いたい。(神ノ口)