「クラブで昔のニューヨークの曲がかかるとブチ切れますね」

――実は前作の『YOUR $MILE MAKE$ ME $MILE』は、めちゃくちゃ音が割れた曲もあったじゃないですか（http://koedawggg.blogspot.jp/2012/09/your-mile-make-me-mile.html）。

 

K：いや、やり方わかんなくって。あれ、ラップ始めて5ヶ月くらいで。

 

――マジですか！？ 5ヶ月という短期間で出そうとしたのは？

 

K：みんな出してるし、自分的には一瞬の遊びみたいな。すぐやめようと思ってたんです。だけど、みんな褒めてくれるし、なんか楽しくてズルズルやり続けちゃって。「参ったな」って感じです。

 

――だけど、SoundCloudで公開する曲が毎度良くなっていくのですが、その成長ぶりは目覚しいものがあります。

 

K：いや…慣れてきただけっすね（笑）。

 

――そっすか…ちなみに、中学の頃ハマっていた降神から、Migosに辿り着いた間の音楽遍歴を教えて欲しいです。

 

K：高校の時は中学の時みたいにあんまりヒップホップ聴いてなくて。ボサノヴァとかクラブジャズとか聴いてました。あと、高校で物理学が好きになって。大学院では物理を。

 

――どんな高校生だったんですか？

 

K：彼女いました。

 

――中学の時に彼女いました？

 

K：ダブルデートしてました。

 

――じゃあ、イケイケだったんですね！

 

K：イケてないっすよ。おこぼれかな。あと、中学までバスケやってました。

 

――やっぱりそれは、ヒップホップが好きで？

 

K：逆で、バスケが好きでその流れでヒップホップにハマったのかも。AND1のMIXTAPEとか観てました。

 

 

――それで大学入ってからヒップホップのサークルとかに入ったんですか？

 

K：一応、そんな感じっすね。サークルっていうか「友達でいよう」みたいな。

 

――じゃあ、音楽の話が合う友達は周りにいつもいた感じなんですね。

 

K：いや、話合う人は生まれてこの方いたことないかも…

 

――（笑）。

 

K：いや、そんなことないか。大学の先輩にいろいろ教えてくれたり相談乗ってくれたりする人いますし。それと昔、J Dillaにすごいハマってた頃は、隔月で渋谷のFamilyでやってたKH NIGHTっていうHIMUKIさんとDJ KENZOさんがやってるイベントに毎回行ってましたね。そこは一晩中好きな曲かかってるって感じでした。

 

――やはりサウスのヒップホップのみならず、多岐に渡って詳しいんですね（http://koedawggg.blogspot.jp/2015/02/1.html、http://koedawggg.blogspot.jp/2015/03/2.html）。J Dilla以降はなにを聴いていたんですか？

 

K：地震（東日本大震災）があった頃から、サウスとかが好きになりましたね。大学の先輩に、めちゃめちゃテキサスとかのギャングスタ・ラップに詳しい人がいて、いろいろ教えてもらいました。ってかヒップホップ全然詳しくないですよ。

 

 

――これまでを振り返ると日本語ラップ期、J Dilla期、サウス期とありますが、それぞれでベスト曲を教えてください。

 

K：う～ん…みんちゃん（MINT）の「生理的に大好き」。あれ超大好きでした。J Dilla期は、DJをストイックにやろうと思ってて、デトロイトの凶悪な人のラップが好きでしたね。Phat Katの「Cold Steel」、その流れでFlyLo、Harmonic 313、あと PPP 。サウス期は…う～ん、ベストは決めらんないっすね。ってかサウス期ってのはないかも。いろんなラップをチェックし始めたというか。昔のニューヨークのヒップホップがめちゃめちゃ嫌いで。

 

――マジですか。珍しいですね。

 

K：そっすかね。普通じゃないっすか？クラブで昔のニューヨークの曲がかかるとブチ切れますね。Nasなんて絶対聴きたくない。でも、よくかかるんですよね。田舎だと昔のニューヨークのヒップホップばっかかけるDJいるし、「BIG L, REST IN PEACE」がかかると（手で銃を作って）「バーン！」って。「お前がREST IN PEACEだ」って。

 

――（爆笑）。

 

K：格好良いですけどね。なんか聴きたくないですね。ドラムの質感かな。ラップもキモいし。あと、聴いてて楽しくない。ってかクラブでいつもかかってて飽きた。

 

――でも、J Dillaとニューヨークの黄金期ヒップホップって、通じてません？

 

K：リンクしてますね。そりゃまあ同じヒップホップですからね。