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icon 2015.7.16

A,B,CIVILMAGAZINE 第1回 CIVILJOURNAL――クリエイティブ集団・CIVILTOKYOがおくる三者三様のアートワーク

今月より私たちCIVILTOKYOがHEATHAZEにて連載をさせていただくことになりました。

CIVILTOKYOは、写真家の伊藤佑一郎、グラフィックデザイナー/ウェブデザイナーの根子敬生、ウェブエンジニアの都竹泰三の3人で活動し、主にCIVILMAGAZINEというアーティスト同士のコラボレーション雑誌の刊行や、それぞれの特徴を生かして、様々なクライアントワークも行なっております(編注:詳細な活動内容は、全国各地のイカした人や場を発信する日本横断企画「ぷりぷり伊能プロジェクト」へ)。

 

この度はじめさせていただく連載は、我々の出版物であるCIVILMAGAZINEをもじって「A,B,CIVILMAGAZINE」という連載名で行なっていきます。

月2回の更新予定の内容としては、注目のアーティストへのインタビュー連載と私たちCIVILTOKYOのアートワーク連載「CIVILJOURNAL」の大きく2本立てでお送りしていく予定です。

 

第1回目はアートワーク連載「CIVILJOURNAL」をお届け致します。

3人それぞれの根幹である写真・グラフィック・ウェブインタラクティブを毎月AからZの頭文字をタイトルに添えて、それに基づいたテーマで制作していきます。Aから始まりZで終わるとき、26ヶ月のプロジェクト終了後にアーカイブブックを発刊します。

 

今回は「A -adolescence-」でお送り致します。ご覧ください。

 


 

「彫刻」

 

hikari

hikari

 

kyohei

 kyohei

 

natasha

natasha

 

stefany

stefany

 

yukiyo

yukiko

 

この作品は今年TOKYO FRONT LINE PHOTO AWARD 2015というコンペティションに入選した「You will be a texture」というタイトルで制作している作品の抜粋になります。

今まで撮ってきたポートレイトをもう一度別な解釈で作品にしようという試みから生まれたこれらの作品は、画像データを一度ベクターデータに変換し、そのパスを様々に変形させて、最後もう一度写真にしたものです。ポートレイトはその時その人を撮影した場所やお互いの関係性、空気感など写真作品には載ってこない情報も撮影した本人には克明に刻まれており、青春時代を振り返るような懐かしさもどこかあります。その人への思いがつまった写真を分解し、人が写っている存在感を削ぎ落として新たなカタチを見いだすこの作業は、過去への別れと未来との出会いに近いかもしれないなと考えるようになりました。ちょうどこの作品をある彫刻家にお見せする機会があったとき、「元々あるカタチを削りだして別のものにしていくこの作品は彫刻に似ているかもしれませんね」というお話を聞いた時、はっとした自分の喜びを今でも鮮明に覚えています。

 

伊藤佑一郎

 


 

「ドローイング01」

 

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僕は普段の仕事で主にグラフィックとウェブのデザインを制作しているので、自発的にイラストレーションを描く機会はありません。ただ、今回CIVILJOURNALとして作品を発表していく場が出来たので、せっかくなので自分の手を動かして描いてみることにしました。

ある装丁家が「きちんと文字組みされたタイトルではなく、素人の書いた手書き文字の方が、味わいがあり、時に強さを生む」というような話をされていましたが、自分がデザインをする時にも、文字のアウトラインを鉛筆でなぞり直したり、コピー機で何回も複写をしたりと(デザイナーにはよく知られた方法ですが)お手軽に手書きの偶発性に似た効果を狙うことはよくあります。

この一連のドローイングは、紙を重ねて油性ペンでランダムに線を引き、下の紙に写った線を下地にして、絵の輪郭を描き、その上でもう一度別のモチーフを描くという試みを繰り返して制作しています。自分自身の線の持つニュアンスだけでなく、油性ペンの裏写りの線という予期しない要素を盛り込むことで、画面の持つ味や強さを強調できないか、という試作をした一例です。

普段セオリーにがんじがらめになって窮屈になる自分の制作が、この発表の場を通して、もっと自由なものになればと思っています。

 

根子敬生

 


 

「目覚め」

 

あの頃にしか見えなかった景色。僕が見ていた景色は、目覚めの瞬間に一瞬だけ訪れていました。少し違和感もあり、少し恍惚感もある、不思議な景色。毎回現れるわけではなく、見たいと思っても、目覚めの瞬間以外は見ることができない。そして、いつの間にか、その景色が現れることはなくなっていました。

詳しい人に聞けば、名前がついている景色かもしれません。でもなぜか、誰にもこの景色の話をすることはありませんでした。少し怖いけど、自分の中だけにとどめておきたい。今は見ることができないけれど、もし見ることができるのなら、誰にも知られずこっそり見たいと思っています。

 

都竹泰三

 

http://www.civiltokyo.com/journal/A/

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 スクリーンショット

 


 

次回の連載は注目のアーティストへのインタビュー第1回、ファッションブランド「zazi」のデザイナー・清水えり子さんと、デザイン事務所「キギ」所属のデザイナー・ホンダチヒロさんが登場します。お楽しみに。

 

※A,B,CIVILMAGAZINE 第2回 清水えり子(zazi)×ホンダチヒロ(キギ)デザイナー対談はこちら

 

 

 

●Information

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