よしフェスマーク
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ぷりぷり伊能プロジェクト 測量6回目 よしの(よしフェス・宮崎)――関西に出たあと帰郷、地元から「うたごころ」を伝えるイベンター

「どげんかせんといかん」。2007年、東国原知事のこのキャッチーな言葉やマンゴー、地鶏や冷や汁で旋風を巻き起こした宮崎。当時、私も朝日新聞折り込みフリーペーパーのトラベル取材で宮崎に飛びました。神話と伝説をめぐる高千穂、亜熱帯の空と海がまばゆい日南海岸、雄大な山々と温泉が堪能できるえびの・霧島。なかでも宮崎県庁での東国原知事ご本人へのインタビューは心に残っています。というのも実はわれわれ、同じ時期に同じ大学に通っていまして、しかも満を持して復活する大学祭の運営スタッフをやっていたんです。局が違ったためむやみやたらに話すことはありませんでしたが、当日現場でそのことをお伝えすると、彼の持ち前の「きっくいやんせー」(お越しください)精神もあってか会話も弾む弾む。あれから5年後にこんなことになるなんて全く想像していなかったなあと、とても不思議な縁を感じたことを覚えています。

 

全国各地のイカした人や場を発信する「ぷりぷり伊能プロジェクト」測量6回目にご登場いただく宮崎のよしのさんも、そうした縁の縁で出会いました。もともとロックバンド・オワリカラのライブ会場で知り合ったMARIEさん。のちにアクセサリー作家としてmarie hannahというブランドを立ち上げ、SEBASTIAN Xの永原真夏さんのヘッドドレスを手がけたり書籍を刊行したりと、HEATHAZEでもたびたびご紹介してきました。

 

そんなMARIEさんから「今度、宮崎の『よしフェス』というライブイベントに出店することになったんです」との一報が。さっそく主催者のよしのさんにアプローチしようと思っていた矢先、タイミングよくご本人からご連絡をいただき、今回の連続特集に結びついたというわけです。「宮崎から進学・就職で関西に出て、けれどもまた故郷に戻ってきた」という経緯にも興味が沸きましたし(私は横浜出身ですが、やはり地元と東京の空気は全然違います。まるみがあって優しい匂いなんです)、なにより「うたごころ」を持ったアーティストが大好きで、地元から発信していきたいという強い気持ちがこの文章から感じられることと思います。宮崎、人も街も穏やかでさんさんとしていて、本当に素敵なところです。やっぱり太平洋側の人と日本海側の人の気性ってちょっと違う気がするんですがどうでしょう?

 

本当に運命のリレーかしらと思うくらい、物事が複雑に入り組みつつも、整然と美しく配置されているなあと感じることがみなさんにもあると思います。「時の時(ときのとき)」とでも言いましょうか、遅かれ早かれ出会いも「そうなるようになっている」気がします。そんなことを思った今回の測量でした。前文、いつも書きすぎてしまうのでここら辺にしておきます。この巡り合わせに感謝して、HEATHAZE、九州初上陸です!(HEATHAZE主宰・福アニー)

 

 


 

九州は宮崎県で「よしフェス」(よしの得フェス→よしのフェス→よしフェス)という名前でライブイベントの企画をしています、よしのと申します。

 

その昔、地元・宮崎から関西へ出て、行きすぎなくらいライブに行きまくっていたのですが、そろそろ宮崎に帰りたくなり、関西でのライブに行ける環境と宮崎を天秤にかけた結果、宮崎が勝利しました。宮崎を一度離れたことにより、宮崎の魅力(自然が豊か、空気がきれい、星がきれい、食べ物がおいしい、優しい人が多い)を再認識し、年々宮崎に帰りたい気持ちが強くなったからです。

 

大阪にいる時はとりあえずライブに行っていたので、好きなバンドの対バン相手から音楽の幅がどんどん広がっていきました。CDを買うことも好きなので、「このバンド最近よく名前を聞くな」と思ったら、ジャケットで判断して買うことが多かったです。CDを買ってよければ、またライブを見に行ってみて…の繰り返しでした。

 

しかしながら関西にいてライブによく行っていたバンドやアーティストは、ほとんど宮崎とは縁遠い人たちばかりでした。関西にいれば、好きなバンドは待っていれば勝手に(というと語弊がありますが)ツアーを組んで来てくれるので、わざわざ本職と二束のわらじを履いて、関西で企画をしようという考えには及びませんでした。

 

地元・宮崎で、好きなバンドやアーティストのライブを見ることができればそれほど嬉しいことはないし、宮崎の人たちに、ライブという娯楽がもっと日常的に広まっていけば良いなという思いで、「よしフェス」は始まりました。

 

よしフェス1回目入口

2015年1月8日(木)よしフェス1回目「新春よしフェス」

会場の「LIVEHOUSEぱーく.」の入口

 

しかし、宮崎に帰って「よしフェスをやろう」と思い立ったはいいものの、企画をしたこともなく、なにもかもが手探りからのスタートでした。まずは宮崎県内で、ちょっとずつ人脈を広げていくことから始め、音楽関係の職種の方やさまざまなお店の方に話を聞いて助言をもらいながら、「よしフェスをどうしていくか?」を自分の中で固めていきました。

 

「よしフェス」のHPを作ったことで、宮崎県内にある好きなお店やおもしろそうなイベントを紹介させてもらいながらライブイベントの企画をしていくと、相乗効果で知り合いもどんどん増えていきました。横のつながりが強く、「知り合いの知り合いは知り合い」状態なのが地方のいいところだと思っています。

 

それから「インターネットと現場」について思うことですが、「よしフェス」の告知・宣伝方法は各SNS(Twitter・Facebook・Instagram)でもさせていただいておりますが、ネットだけでなく人との繋がりを大事にしていきたいので、宣伝方法の8割はフライヤーが占めています。いつも日常的にお世話になっているお店に、フライヤーを置いてもらいにお願いしに行っています。何度も足を運ぶことで、フライヤーを置いてもらう時に直接お店の方ともいろいろなお話ができ情報交換にもなりますし、フライヤーの減りを見ることでそのお店のお客さんでどのくらい音楽イベントに興味を持ってくださるお客さんがいるのかを知ることもできます。ネットだけで情報を得る人もいれば、紙媒体だけで情報を得る人もいるので、どちらもその特性を理解して、「よしフェス」を少しずつ広めていけるように努力していきたいと思っています。

 

運の良いことに、「よしフェス」は2015年になって2回開催しました。初回はAnalogfishの下岡晃さん、UNCHAINの谷川正憲さん、O.A.に山本大揮さん(宮崎)。2回目はSchroeder-Headz、cafelonの渡辺シュンスケさん、おかもとえみさん、O.A.に花まるにっぽん座さん(宮崎)。来たる3回目はSEBASTIAN Xの永原真夏さんと工藤歩里さんによるユニット・音沙汰さん、QUATTROの潮田雄一さんをお招きします。O.A.はヤギナツキさん(宮崎)です。

 

よしフェス1回目

2015年1月8日(木)よしフェス1回目「新春よしフェス」@LIVEHOUSEぱーく.

左から山本大揮(O.A.)、下岡晃(Analogfish)、谷川正憲(UNCHAIN)

 

毎回「よしフェス」は、自分が好きすぎるアーティストを呼んでいますが、2組をブッキングするうえで、「自分以外の誰か」の顔が浮かぶ2組になるようにしています。そしてオープニングアクトは、ライブを見て良いと思った地元・宮崎のアーティストにオファーしています。「CDが良い」「ライブが良い」だけでなく、「CDもライブも良い」アーティストに、最大の魅力を感じるからです。

 

「よしフェス」はブッキングとイベントのセッティングと宣伝をさせてもらっているだけで、ライブ当日は完全にただの客と化しています(笑)それでも、「よしフェス」に来てくださったお客さんたちが、ライブ終わりに「ありがとう」とお礼を伝えてくれたり、「また呼んでね!」や「エネルギーをもらった!」と言ってくださったりします。そういうお客さんの声を聞くと、これからも続けていこうと思います。

 

ちなみにイベントをやるうえでずっと尊敬しているのは、京都のライブハウスnanoの店長モグラさんです。nanoはその名の通りとても小さいライブハウスで家みたいなのですが、モグラさんはPAと照明をこなしながら、ライブを楽しみながら、冷静にも見ていて、ライブハウスの店長の鑑だと勝手に思っています。ライブハウスの店長というものは、自分のライブハウスに出演するバンドの音楽をその目で見て良いところも悪いところも受け止めたり跳ね返したりするものだと、モグラさんを見ていて思いました。とても愛のあるライブハウスだと思っています。

 

それから面識はないのですが、つくばロックフェス主催のイコウガさん。勝手にファンです。つくばロックフェス、毎回好きなバンドしか出ないのですが、毎年行けず、「来年こそはつくばロックフェス行くぞ」と毎年言っています。来年こそは行きたいです。そうやって遠くの人にも思ってもらえるように、「よしフェス」も宮崎でがんばりたいです。

 

よしフェス2回目

2015年8月9日(日)よしフェス2回目「鍵盤よしフェス」@LIVEHOUSEぱーく.

左から花まるにっぽん座(O.A.)、おかもとえみ、

渡辺シュンスケ(Schroeder-Headz、cafelon)

 

回を重ねるごとに「よしフェスするなら行くよ」と言ってくれる方が増えてきて、ありがたいことにライブハウスを満員にすることができています。「よしフェス」という、名前からして自己満なことがバレているにも関わらず、たくさんの方がライブに足を運んでくれることに感謝しかないです。イベントをするということは決して簡単なことではありませんが、宮崎だからこそできるイベントをこれからも開催していきたいです。

 

よしフェス

よしの

 

※ぷりぷり伊能プロジェクト 測量5回目 CIVILTOKYO(東京)はこちら

※ぷりぷり伊能プロジェクト 測量7回目Falus(大阪)はこちら

 

西風よしフェス

 

 

 

●Event Information

西風よしフェス

2015年9月13日(日)@LIVEHOUSEぱーく.

開場17:30/開演18:00

前売2500円/当日3000円(+1D)

出演:音沙汰/潮田雄一(QUATTRO)/O.A.ヤギナツキ

アクセサリー販売:marie hannah

FOOD:ponchice(ヴィーガンマフィン、ホットドッグ)

 

Get in the zone 伊澤一葉ソロピアノツアー in MIYAZAKI

2015年10月18日(日)@LIVEHOUSE ぱーく.

開場18:00/開演18:30

前売3000円/当日3500円(+1D)

 

下岡晃 平井正也 TOUR 2015「友達に会いに」よしフェス宮崎編

2015年11月2日(月)@LIVEHOUSEぱーく.

開場19:00/開演19:30

前売2000円/当日2500円(+1D)

出演:下岡晃(Analogfish)/平井正也(マーガレットズロース)&宮崎の友達

 

 

 

●Yoshifes Information

HP:http://yoshifes.tumblr.com/

企画ページ:http://yoshifeskikaku.tumblr.com/

Twitter:https://twitter.com/yorimekko

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