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icon 2014.10.29

KK mangaメディア初登場&独占インタビュー「とにかくロマンが足りないし、もっと夢中になりたい」――GEZAN主宰レーベルから初作をリリースした関西ジャンク・スカムの急先鋒に迫る

「何かが進行している過程を切り取るようなイメージで作った」(ハマジ)

――処女作『Final Justice』はGEZAN主宰のレーベル「十三月の甲虫」からリリースされましたが、彼らとのそもそもの出会いを教えてください。

 

ハマジ:2010年の最初ぐらいの頃に、確かクランプスのラックス・インテリアの写真の上にヤケクソみたいな字で「下山」って書いてあるフライヤーがベアーズの壁に貼ってあって、なんか気になるなと思って観に行って。その時のライブが、マヒトくんのギターが速攻折れて5分ぐらいで終わったライブだったんですけど、クソ殺気立ってて。びっくりしました。10人も客いなかったですね。それからよくライブ観に行くようになって、何回目かに観に行った時にメンバーと話して、たまたま住んでた所も近所だったんで仲良くなりました。

 

――「セミファイナルジャンキー」や「BODY LANGUAGE」など、十三月の甲虫主催のイベントにも出演されています。参加してみていかがでしたか?

 

ハマジ:「セミファイナルジャンキー」はいき過ぎた無駄なパワーが渦巻いてて痺れますね。しょっちゅうあんなイベントあったら疲れるけど、たまにやるなら感動的なイベントだと思います。
「BODY LANGUAGE」は「セミファイナルジャンキー」の空気感をもうちょっと外に開いた感じで、この間のKK mangaレコ発は最初から最後まで緊張感と楽しさが持続してて最高のイベントでした。

 

イデイ:毎回毎回、猛獣のしばきあいみたいな緊張状態に置かれるので心臓に悪いです。

 

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――そうしたなかで十三月の甲虫から自身のファースト・アルバムを出すと決めた経緯を知りたいです。

 

ハマジ:マヒトくん(GEZANのギターボーカル)がそろそろちゃんと形にしたモノを作ったほうがいいぞって言って、録音の環境をセッティングしてくれたんで。自分達だけだと機材もお金もないしなかなかできないんで、よかったです。

 

――とにかく短く速い作品でした。音楽というより音像、一曲というより一片というような…。がっちり作り込んだ感じにせずラフでスピード感ある作りにしたのは、当初からの意図だったんでしょうか。制作期間も短いスパンで行われたのでしょうか。

 

ハマジ:ほんとに急遽録音することが決まったんで、制作期間は全部で2ヶ月ぐらいだと思います。ラフさは意識していました。できるだけ取りとめがない、作り上げたものをしっかり提示するということではなく、何かが進行している過程を切り取るようなイメージで作っています。あと、すぐ終わるアルバムが好きなんで。

 

――それからリフがじんわり耳に残ったのですが、曲はどうやって作っていくんですか?

 

ハマジ:大雑把に作ってこれいけるなと思ったら、そこからみんなで詰めていくことが多いです。あと口で言ったのを益子くんに弾いてもらったのから作ったり、単語叫んで即興で勢いだけでやったらほとんどできてたりって曲もあります。

 

イデイ:全部バラバラの作り方をしていると思います。益子くんが作ったリフからであったり、ドラムパターンからだったり…。「Gas」に至っては結成から数回目のスタジオで録音した音源のドラムの断片がかっこよかったので、数年後にドラムだけ流用して作りました。1フレーズからの継ぎ足しが多いと思います。

 

――粗い紙やすりのようなローファイな質感ですが、どうやって録ったらああいう音になるんでしょうか?こだわったところを教えてください。

 

ハマジ:「a-ha Take On Me」はフジモトさん(Tsunoshita、シタマチマンドリル)にミックスしてもらって、他は自分たちでミックスしたんですけど、曲ごとにミックスの担当が違うので何やってるかメンバー間でもわからないです。でも録音自体は全部同じ日に同じマイクで取りました。録音とマスタリングはイーグル・タカくん(GEZANのギター)とKen Summer(十三月の甲虫のサウンド・エンジニア)がやってくれました。

 

 

 

――アルバムはスタジオ、ライブ、カットアップ音源が混然一体となっています。そうしたのはなぜですか?またカットアップのネタのピックアップ基準はあったのでしょうか?

 

ハマジ:ミックスがバラバラなんで更に質感の違う音源が入るとおもしろくなるかなと思ったのと、全体の流れとバランスです。明確なピックアップ基準はないんですけど、「Fortune Murder」で使ってるのはPVLNの「コンピューター占い」って曲です。