tofu_arsha600
icon 2013.4.6

tofubeatsメールインタビュー◆4/7「SonarSound Tokyo 2013」出演の前に

2012年に『水星』がiTunes Music Storeのアルバム総合チャートで1位を取ったことで話題になり、各方面から注目を集めているtofubeats。現在、若干22歳だが、高校時代から作品を発表しはじめ、Maltine Recordsなどのネットレーベルや自身のサイトから多数の音源を発表し、その一方でアイドルのリミックスや楽曲制作を手がけるなど、知る人ぞ知る存在になっていった。その彼が4月24日にファースト・アルバム『lost decade』をリリースし、その前の4月7日にはSonarSound Tokyo 2013へ出演する。昨年の大ネットレーベル祭などの自身のホームグラウンドのライブでは、「水星」などの代表曲で合唱が起こるなど強い一体感のあるライブを行なっていた彼だが、時の人となっている今、フェスへの出演やファースト・アルバム『lost decade』のリリースによってどのように一歩外に踏み出そうとしているのか。メールインタビューを読んで欲しい。(取材・文/滝沢時朗)

 

 

――海外のテクノやヒップホップのアーティストを招聘するフェスへの出演はWIRE以外でははじめてですが、SonarSound Tokyo 2013へ出演が決まってご感想はいかがでしたでしょうか。

 

tofubeatsもちろんとても嬉しいです。ただ自分はポップス寄りのプロダクションが自分でも多いと思ってるので、コアなクラブミュージックファンを前にする不安も大きいです。
あと、自分のショーケースももちろんですが、どちらかというと神戸からソナーに行っていろんな刺激を受けることのほうが楽しみかもしれません。

 

――SonarSound Tokyoのような東京で開かれる都市型のフェスに関してどう思っていますか?

 

tofubetas:とても楽しそうでいいと思います。ただ人が多いフェスは昔からそこまで得意ではないかもしれません。

 

――SonarSound Tokyoでは普段のイベントやライブとは客層も異なると思いますが、どういったライブやDJをしようと考えていますか?

 

tofubeats:普段は喋ったりとかも多いですが、一応自分の曲を中心にクラブミュージックのDJをしようと思ってます。

 

――普段のライブやオノマトペ大臣さんとの”WEEKEND SHUFFLE 2″などもそうですが、tofubeatsさんは積極的にご自身の言葉でリスナーとコミュニケーションを取ろうとしていることが多いように思います。意識的にやられていることなのでしょうか?

 

tofubeats:インターネットで神戸から、となると自然に何かを知ってもらうのは難しいですし、なにより喋りなタイプなのでそうなってます・・・汗

 

――インターネット上でフリーダウンロードの音源を数多く発表してきたtofubeatsさんにとってライブやイベントへの出演はどういった意味を持っていますか?

 

tofubeats:自分がライブなどで出演するときは自分の楽曲を大きい音で人に聞いてもらう場だと思ってます。

 

BL_H1-4

 

――日本のネットレーベルでも活躍しているアーティストとして、tofubeatsさんと同じくMaltine Recordsから出しているSubmerseやVol.4 Recordsから出しているMadeggが出演しますが、どう思われますか?

 

tofubeats:同世代や近いシーンの人がこういう機会に一緒に呼ばれているのはとても嬉しいです。

 

――MadeggやSubmerseのような同世代で近いシーンのアーティストの作品や活動姿勢に親近感を覚えたりしますか?

 

tofubeats:やっぱり、思いつきを思いついた瞬間にやる感覚みたいなのが全体的に上の世代と違うと思います。

 

――Sonarは国際的に展開されるイベントであり、ショウケースとしての側面もありますが、ご自身の音楽を海外へ発信することに関してはどう考えていますか?

 

tofubeats:インターネットに置いている時点で世界に発信されていると思っています。言語の問題はありますが、僕らが彼らを見つけるように彼らにも僕らはいつ見つかってもおかしくない状態ではあると思います。こと神戸在住の僕に関しては、東京で自分の音源がかかっていることと世界のどこかで音源がかかっていることは、そこまで遠くない現象ではないか と。今の時点でも海外にリスナーが居たりするのはわかっていますし。

 

――海外のリスナーはどういった国の方が多いですか?

 

tofubeats:日本語での配信が大半なのでやはり物好きが多く、どこの国が多い、とは一概には言えませんが、J-POPの仕事が好きという人もいますし、 クラブミュージック寄りなものを良いと言ってくれる人もいます。ネットで海外の方が僕の作品にぶつかるのは曲単位の場合が多いですし。すげえチェックしてくれる人が2人居るのですが片方はインドネシア、片方はUKだったと思います。

 

――リスナーとしてSonarSound Tokyo 2013で見ることを楽しみにしているアーティストはいますか?

 

tofubeats:やっぱり、Madegg、Submerseなのですが出演日程違うので悔しいです!

 

――tofubeatsさんの楽曲の歌詞にはクラブで踊ることをテーマにしたものも多いですが、こうしたイベントやクラブといった場で楽曲制作の刺激やアイディアを得ることも多いのでしょうか?

 

tofubeats:音響的なことでクラブで影響を受けることは多いですが、基本的に家でクラブのことを考えている時の気持ちを歌にしているのかもしれません。あと、ダンスという言葉をよく使いますが、これはクラブで踊るということよりもっと観念的なことのような気がしています。

 

――僭越な質問かもしれませんが、tofubeatsさんの歌詞の中のダンスは、「水星」のようにここではな いどこかを見せてくれるものでありつつ、同時に「朝が来るまで終わる事の無いダンスを」などのように常に終わることが意識されているなと思っています。その音楽やダンスが終わることの切なさを届かない恋愛に置き換えてポップスにすると「touch」や「No.1」といったような曲になるのかなと解釈しているのですが、いかがでしょうか?

 

tofubeats:そこまで全体的な帰結は意識していませんが、自分で聞き直してみても何かが始まって、終わる、みたいなのが好きなようです。フィクションだとわかっていて始まって終わるもの、(演劇というよりかは)演劇的な仕組みのものが僕は好きです。クラブも恋愛もいっときの非日常を生きるという意味では似てるのかもしれません。