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icon 2013.4.6

tofubeatsメールインタビュー◆4/7「SonarSound Tokyo 2013」出演の前に

――tofubeatsさんはアイドルとの関わりも深いですが、アイドルのライブへもよく行くのでしょうか?

 

tofubeats:だいたいクラブもそこまで遊びに行く方ではないのですが、行きます。

 

――ヒップホップでもアイドルでもライブが「現場」として重視されますが、そのことについてどう思いますか?

 

tofubeats:便宜上そのような言葉が使われますが、別に家からでも家の楽しみ方はあると思います。実際人生で一番音楽を聞いている場所は家かウォークマンですし。僕の作っているクラブミュージックやREMIXはクラブミュージック風ではありますが、クラブでかかる体裁を実は取っていない場合も多いです (イントロ、アウトロが短いなど)。このようにエセクラブミュージックみたいなのに自分の楽曲が決着しているのもそういう考えが出ているのかもと思います。どちらかというと最近は家で楽しんでいることのほうがどちらも多いです。ただ、やっぱり、どちらもたまには現場に行かないとわからないことも多いですよね。

 

――クラブとアイドルそれぞれの「現場に行かないとわからないこと」は、具体的にはどういったことがありますか?

 

tofubeats:クラブは出音、アイドルはかわいさです。

 

――tofubeatsさんは主にインターネット上で多数の作品を発表してきましたが、4月24日に自主制作で流通がワーナーという形でア ルバム「lost decade」を発表されます。なぜそのようなアルバム制作・流通の形になったのか、差し支えなければ教えていただけますか?

 

tofubeats:普通に数度レーベルからのリリースに正直失敗していまして、もう自分で出そうと決意が固まって資金持ち出しで作ることにしました。ワーナーさんとは製作中に縁あって流通で協力していただいた形です。

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――インディーズやメジャーという区切りに関してはどう考えていますか?

 

tofubeats:インディーでもメジャーでも一長一短だと思いますし、様々なケースがあるので一概にどうとは言えません・・ただ僕の場合は好きな女優でPVを撮影したい、とかが実は一番のモチベーションだったりするのでそういう人はメジャーとかから出した方が夢は叶いやすいのかなと思います。

 

――ご自身の楽曲のPVを作ることはどういった意味を持っていますか?

 

tofubeats:あったほうが嬉しいものです(が、今回のアルバムのPV企画はまだ無いです・・・)。

 

――アルバム・タイトルの「lost decade」は、日本では1990年代を指すいわゆる「失われた10年」のことでしょうか?また、アルバムはこの年代とその中で生まれ育ったtofebeatsさん自身をコンセプトにしているのでしょうか?

 

tofubeats:そうでもありますし、中高大と10年間一貫校に通っていまして、中学生のころに音楽をはじめたのでアルバムが出るまで(今春大学を卒業したので)の10年も指しています。ですが、こういった理由は全部後付で、そもそも僕とokadada,DJ WILD PARTY,tomadの4人が定期的にやっているイベントの名前を拝借させてもらいました。

 

――イベント「lost decade」をはじめた経緯や、今のtofubeatsさんにとってどんな存在のイベントになっているかを教えていただけますか?

 

tofubeats:単純に仲良い4人で小さくて音の良い箱で好き勝手やるのが最初だったかと思います。好きな友達のDJを気兼ねなく楽しむ場です。

 

――tofubeatsさんはPara Oneやテイ・トウワの影響を公言し、クラブ・ミュージックの新しいジャンルの手法を楽曲に取り入れることが多いですが、「lost decade」ではどういった試みをされていますでしょうか?

 

tofubeats:自分の好きなクラブミュージックと自分が好きなポップスや他のものを同じように扱うことです。ただこれはずっと僕のコンセプトでもあります。

 

――そうした曲を作る際に、先ほどあげられていた、曲が「クラブでかかる体裁を実は取っていない」ということ以外に、音楽的に意識や工夫をしていることはありますか?

 

tofubeats:そのとき自分が好きなことをやるということですかね・・・。当たり前のことですけど・・・。

あと、クラブでかかる体裁を実は取っていないっていうのも意識してやってることではなくて、J-POP的な礼儀の構成にするとそうなってしまったり(逆も然りですが)する結果の話でもあります!

 

――ラッパー/トラック・メイカー/DJであり、アイドルへの楽曲提供やリミックスなど多岐に渡る活動をされていますが、今後はどういった点に力を入れていきたいと考えていますか?

 

tofubeats:いろいろな人がいろいろな音楽を楽しむためのきっかけになっていけばいいなと思います。あとは嫌なことをやらないように。

 

 

 

●Information

4/7「SonarSound Tokyo 2013」@新木場STUDIO COAST

http://www.sonarsound.jp/ja/2013/

 

 

 

●Profile

tofubeats

1990年、平成2年生まれ、神戸市在住のトラックメイカー/DJ。 中1の頃に日本語ラップに影響を受け音楽制作を開始した・・・はずなのだがいつの間にかクラブミュージックに傾倒、果てはアイドルのバラエティ番組を鑑賞するスキルを開花させた。インターネットで100曲以上の膨大な量の楽曲を公開し続けるかたわら、様々なアーティストのリミックスも手掛けておりYUKI、FPM、佐々木希、曽我部恵一BAND、ねごと、ももいろクローバー、9nine など、その手腕はジャンルや世代を超えて高い評価を得ている。他にもSONY「ウォークマン webCM」、ユニリーバ「AXE DRY イベント用CM」やサントリー「Moutain Dew イベント用CM」、NHKオリンピック用 「いきものがかり – 風が吹いている」のリアレンジなどといったクライアントワークも多数。2011 年からは新進気鋭の清純派ヒップホップアイドル「lyrical school(ex.tengal6)」にシングル「プチャヘンザ!」などで継続的に楽曲プロデュースで参加している。また、現在までに自身の名義を含む5枚のアナログ盤をリリースするなど、 インターネットだけに限らない活動を行っており、盟友オノマトペ大臣と2012 年にリリースした「水星 EP」は初回プレスが発売直後に即完売。2 度の追加プレスを重ねアナログ盤としては異例のヒットを記録。DJ としても精力的に活動しており、史上最年少での出演(08年)となった日本最大級のテクノフェスWIRE から、J-POP DJイベント最高峰「申し訳ないと」まで幅広く出演。その「幅の広いんだか狭いんだかわからない」プレイには定評があ る。一方で80年代のエディットやメガミックスの手法にも魅せられ、スタジオ製作のメガミックスも多数。世界のインターネットに散らばる最新のクラブミュージックから J-POPまで、凝り固まらない平成生まれのバランス感覚を持った新進気鋭の若手トラックメイカーである。2013年4月24日に待望の1stアルバム「lost decade」、これまでの作品集「university of remix」「college of remix」を発売。

公式ウェブサイト:http://www.tofubeats.com/