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icon 2013.9.17

rokapenisインタビュー「自分のやりたい事で無理矢理でも生きていく」◆オウガとメルツバウ出演の「V.I.I.M × WWW vol.003」主催VJに迫る

「やっと自分もVJで《演奏》しているって思えるようになってきた」

――音楽と映像でイベントをやる場合、どうしても映像は添え物になってしまうことが多いと思うのですが、対等な立場でやるにはなにが必要だと思いますか。

 

rkp:映像というのは会場全体のイメージや雰囲気を一番支配するものだと思います。本来はそれなりの大きい画面やプロジェクターでやれば映像のほうが勝つことになるのですが、ライヴハウスやクラブという音楽を聴きに来たり踊りに来たりする場所では、音楽と映像で相乗効果がないと意味がありません。なのでVJの人は《音楽に合わせる》イコール《引っ込み思案になりながらプレイする》ってことが美徳とされている事が多いような気がします。僕は最近やっと自分もVJで《演奏》しているって思えるようになってきました。音楽家が演奏して人に気持ちを伝えるように、自分も空間を映像によって変化させながら人になんらかの気持ちを伝えられるように(コロしてやる!とか)、音楽とアンサンブルしていけば当然一緒にプレイしている対等な立場になるんじゃないでしょうか。

 

 ――とはいえ、VJやMVは対象をよりいっそう引き立てるところもあるわけで。表現欲と裏方欲、ご自身のなかではどちらが大きいんですか?

 

rkp:自分の中では表方と裏方は問題としてずっとありました。ずっと裏方をやって、どうしてもニジみ出てしまうくらいの表現のほうがしっくりはきます。ただ、今はなんとなく自分にしか出来ないこともあるかもなって思っていて、そういう事を、資本とか会社に頼らず自分達でやっていく為には自分が表に立つこともたまには必要かなと思ってます。本来苦手ではありますが。。。リハビリをかねて最近VOVIVAVというバンドでボーカルも始めました(笑)あと、ドラびでおとオプトロン伊東さんとみっちぇとYAMACHANGでTOKYOFLICKERS!という光だけのバンドも始めました。

 

恵比寿映像祭02

 

――rokaさんと言えば、関西/東京アウンダ―グラウンドシーンとは切っても切り離せない関係にあると思いますが、とりわけ影響を受けた映像、音楽を教えてください。

 

rkp:やっぱり高校の終わりの頃に衝撃を受けたボアダムズ。そしてボアダムズのVJをしていた宇川さんの影響は大きいとは思います。あとベアーズ周りや世界中で当時起こっていたスカムカルチャー。そしてその後出会った、大学の同級生達、ROMZのシロー君を始めとするみんな。BABY-Qの東野祥子さん達。大阪で長いことVJをやったMIDI_saiのみんな。東京出てきてからの時間をたくさん過ごしたブラックスモーカーのみんなはとりわけ影響は大きいし、別に映像のこととかじゃなくて、こうして自分のやりたい事で無理矢理でも生きていくって姿勢が一番影響受けてることだと思ってます。

 

――VJ、MV、音楽、ダンスとさまざまな角度から映像でかかわっていますが、どれもジャンクなエグさがみなぎっていると感じます。フォーマットは違えどどういう軸足で、なにを思って制作しているんですか。

 

rkp:見ている人にキズをつけてやりたい(ココロにですが!)ってのは、割と確信犯的に昔から考えてはいます。実際の暴力やスピード(車とか)は極端に嫌いなのでその反動かも。いずれみんなを気持ちよくさせたいとか思う日が来るかもしれませんが、そんなに猟奇的ではないと思ってますが愉快犯的な気持ちがまだ強いというか。自分で見るのもそういう刺激的な表現が好きなんだと思います。

 

――rokaさんのスタンスとして、表現の越境だったり時代に一石を投じることだったりがあると思います。このショーケースで、新しい地図を作っていこうという気概を感じるのですが、同時代のVJ/映像作家をどのように見ていますか。

 

rkp:自分がこれまでやってきた事で混ざってない部分を自分なりのやり方で混ぜていきたいというのは欲としてあるんですが、テクノロジーの最先端ということにはあまり興味がないです。なのでイロイロなスタンスで音楽と映像との関わりを広げている人達はみんな凄いと思うし素晴らしいと思うけど、自分の石はそういう人に当てるつもりでやってないです。むしろ、全然違うほうに投げて、こんなとこにも石落ちるんだってことがやれればいいなあと思ってます。そして偶然何かに出会うことを期待してます。割とそういう運はいいほうなので。

 

――では昨今はやりのプロジェクションマッピングや3D、ARにもさほど食指は動かず?

 

rkp:どれも皆が思っているようなソフトを使ってとかプログラムを使用してとかをやりたいということはまったく無いです。あくまで自分なりのやり方で、一緒にコラボレートする音楽家やダンサーと作業や作品を作る過程で、必然として自分の映像が拡張してゆけばいいなあと思ってます。みんなに広まってるよーな事はなるべくやりたくないです。

 

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写真はすべて恵比寿映像祭のようす(photo by 田中秀幸)

 

――VJの映像に即興で音をつけていくなど、今後VJ主体の祭典が増えていけばいいなあと思っているのですが、夢や願望はありますか。

 

rkp:VJに限らずイベンターの独自の色があるイベントや企画が増えていけばいいなあというのはあります。なんで福アニーさんには頑張って欲しいけど。

 

――精進します(笑)最後に、当日の意気込みを!

 

rkp:今までみたオウガとメルツバウとは全然違う体験が出来るはずなんでーーー、皆様是非ともーーーーーーー。来てくださいーー。

 

――これからも映像と音でわくわくさせてください。ありがとうございました!

 

 

 

rokapenis最近のWORKSのなかでも筆者一押しはDOOOMBOYS!!!!

錚々たるアーティストのMVやライブ映像ががっつり見られるrokapenisの映像集はこちら→http://www.youtube.com/user/rokapenio/videos

 

 

 

●Live Information

V.I.I.M × WWW vol.003
2013年9月24日(火)@渋谷WWW

OPEN 19:00 / START 20:00

OGRE YOU ASSHOLE / MERZBOW / rokapenis<VJ> / 浮舌大輔(20TN!)<VJ>

前売¥2,900 / 当日¥3,400(ドリンク代別)

ローソンチケット[Lコード:71892]・e+・WWW店頭にて発売中

お問い合わせ:WWW 03-5458-7685

イベント詳細URL: http://www-shibuya.jp/schedule/1309/004261.html

 

 

【これまでのV.I.I.M × WWW】
V.I.I.M × WWW vol.1: 2012/4/5

出演:渋さ知らズオーケストラ / 大谷能生 / THE LEFTY (KILLER BONG × JUBE) / rokapenis<VJ> / 柴田剛<VJ> / 東野祥子<DANCER>

公演詳細:http://www-shibuya.jp/schedule/1204/001452.html

 

V.I.I.M × WWW vol.2:2012/10/16

出演:DEERHOOF / The Floating Guitar Borchestra Of Boredoms/ rokapenis<VJ> / mitchel<VJ>

公演詳細:http://www-shibuya.jp/schedule/1210/003000.html

 

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 vol.2のようす(photo by 小島梨乃)

 

 

【V.I.I.Mprojectのあゆみ】

V.I.I.M×BLACK SMOKER BLACK OPERA ver.0.0《The Gambler’s Fallacy》:http://www.viimproject.com/archives/page1.html

 

V.I.I.M×WWW:http://www.viimproject.com/archives/page2.html

 

 

 

 ●Profile

rokapenisrokapenis

VJ/映像作家、斉藤洋平。

2000年より大阪/東京のアンダーグランドシーンの重要イベントでVJを勤める。

world’s end girlfriend /mouse on the keys/DEDEMOUSE/BLACK SMOKER RECORDSの専属VJ。

テクノ/ロックから前衛音楽まで幅広くコラボレーションやセッションを行う。

VJと平行して大量のミュージックビデオも作成し続ける。

またダンスカンパニーBABY-Qの映像作家として数々の海外公演に参加。

2010年より自らのイベントV.I.I.Mprojectも精力的に行っている。