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icon 2014.1.21

『ファーザーズ・デイ/野獣のはらわた』トーキョー・プレミアレポートVol.2◆トロマ総帥ロイド・カウフマンの毒々トーク完全採録

刺激的でマニアックなB級映画を量産し、世界中に熱狂的なファンをもつアメリカの映画製作会社、トロマ・エンターテインメント。その総帥であるロイド・カウフマンが、2013年12月18日、『ファーザーズ・デイ/野獣のはらわた』のトーキョー・プレミアのため緊急来日した。当日のレポートはVol.1に譲るとして、Vol.2 では、彼の毒々トークをお届けする。

 

『ファーザーズ・デイ/野獣のはらわた』は、カナダのトンデモ映像集団「アストロン6」によるガチヤバ復讐劇。トロマが全額出資したこともあり、今回の緊急来日に至ったというわけだ。トロマ顔負けのエロ・グロ・ナンセンスが炸裂、バッドテイスト全開の作品になっている。かなり過激なのでもちろんR18指定だが、それでも8シーン19カットの修正要求を受けたという(筆者の手元に無修正版があるのだが、こちらは怖くて未見)。

 

舞台挨拶当日。のっけから「みなさんこんばんは。安堂ロイドです。じぇじぇじぇ!今でしょ!倍返しだ!」と畳み掛ける特別ゲストのロイド。さすがだ、さすがすぎる。ゲスト兼通訳には映像作家、元トロマ所属、『ファーザーズ・デイ/野獣のはらわた』字幕翻訳者の津野励木。司会には映画評論家で、「アストロン6の進撃!」配給プロデューサーの江戸木純。そこにトロマの看板キャラ「毒々モンスター」も加わって、なんとも自由な空間に。

 

トークはロイドの嘘八百も相まって旋回しながらも、トロマが発掘した才能からその作品、周辺の映画事情まで、「トロマとアストロン6、そしてインディペンデント映画界の未来」というテーマにふさわしい、大変興味深い内容であった。そこにあるのは、「観る者を楽しませたい」という思いのみ。全映画ファン、必読です!(取材・文/福アニー、写真/Keiko Hirano)

 

 

「みなさんこんばんは。安堂ロイドです」

江戸木純(以下、江戸木):ミスター・ロイド・カウフマン、ウェルカム!

 

(ロイドの奥さんが笑顔でカメラを回しながら、トロマの看板キャラ「毒々モンスター」とともに登場。ロイドはクリスマス柄のネクタイを締めていてオシャレ!)

 

江戸木:それではロイドさん、みなさんに一言ご挨拶をお願いします。

 

ロイド・カウフマン(以下、ロイド):みなさんこんばんは。安堂ロイドです。じぇじぇじぇ!今でしょ!倍返しだ!

 

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(会場爆笑)

 

江戸木:学びたての日本語を披露していただきまして。

 

ロイド:毒々モンスター!オー、ビッグスター!奥さん!

 

江戸木:(笑)。奥さんは『チキン・オブ・ザ・デッド/悪魔の毒々バリューセット』(2013)のプロデューサーでもあります。今回はみなさんシンガポール経由で来られました。

 

ロイド:僕の最新作『RETURN TO NUKE ‘EM HIGH Vol.1』(『悪魔の毒々ハイスクール』(1987)のリメイク。日本公開未定)のなかで、実は津野さんがすごい大きな役で出演してるんだよ。

 

津野励木(以下、津野):新作の撮影中に主要キャストのひとりがトラブルを起こしてクビになっちゃいまして。僕はカメラアシスタントをやっていたんですけど、ロイドに出てみないかと言われて、そのままその役を引き継ぐことになったんです。

 

ロイド:みなさん、とにかく僕と津野が愛し合っているということをこの場で分かち合ってくれてありがとう。

 

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(会場笑)

 

江戸木:ちなみに僕も昔『カブキマン』(1991)って映画に出ましたけど……。今回は何年ぶりくらいの来日になるんでしょうか?

 

ロイド:1964年の東京オリンピック以来かな。っていうのはジョークで、1994年に来たのが最後かな。

 

(その後、江戸木さんの本名を晒しつつ思い出話を始めるなど、ロイド節炸裂で会場はてんやわんやに)