「アルバムをフィジカルで出すというのは、やっぱり通して聴いてほしい、というのがありますね」(古口)
――…突然で申し訳ないんですけど、ico!さんって巫女っぽいですよね。
ico!:…なんでわかったんですか?
古口:シャーマン?
ico!:ビックリしたー。巫女っていうワードが出るとは。私、スピリチュアル界隈に強いんです。なんでわかったんですか?見た目?
――話を聞いていて、巫女っぽいな、と思って。
ico!:やばい!うれしいー!
古口:霊感?霊感あるの?
山田:なんなの?今日一のテンション(笑)
ico!:自分に巫女性があるっていう自覚が幼い頃からあって、そういう研究をしてるんです。うれしいです。ありがとうございます。興奮しちゃった。
ico! (vo.)
――話を戻しますね。CDを聴く時、1曲を繰り返し聴く人とか、アルバム単位で聴く人など、いろいろな聴き方があると思いますが、みなさんはどうですか。
山田:僕はどっちもありますね。
ico!:私もどっちもあるかな。
古口:僕はだいたいアルバムの後半3曲が好きです。というのも、長いアルバムを通学中とかに聴いてると、途中で駅に着いちゃったりするじゃないですか。それで、帰りはこの曲から聴こうと思ってセットしておいて、その帰り道の後半3曲がだいたい、いいんですよ。行きの時に聴いていた思い出を残したまま帰り道に、っていう感じで。
山田:アルバムのよさってむちゃくちゃありますよね。
ico!:私は4曲目が好きなことが多いですね。同じ曲を繰り返し聴くことが多いかもしれないです。家にいる時とかは、突然、あれ聴きたい!ってなって、その曲を聴くじゃないですか。それを聴いてる時に、今度はあれを聴きたい!って連想ゲームみたいにやることが多いです。
――移動中などはどんな聴き方をしますか。
ico!:そういう時はアルバムをフルで聴くこともありますね。あと、そもそもプログレとか、長い曲が好きなんですよ。20~30分くらいあるのをすごい集中しながら聴いてるうちに、着いた!みたいな。
―― 最近だとSoundCloudとかApple Musicとか、アーティストをフォローすると似たような曲が流れてきたり、1曲ずつかいつまんで出されたりというようなサブスクリプションサービスが多くありますよね。もちろん曲を聴いてもらえる機会は増えていると思いますし、それに対してアルバムを出したり、形にするという意義もあると思うんですが、そういった現在の状況をどう思いますか。
古口:今、『Golden Rain』をBandcampやiTunesで出すかどうか迷っています。曲単位で買えるようにするのかどうかというところで。アルバムをフィジカルで出すというのは、やっぱり通して聴いてほしい、というのがありますね。今回のアルバムはアートワークもこだわってつくりました。
ico!:シンプルなんですが、私の好きなアーティストは銀盤のディスクが多いので、CDは銀盤になっています。
古口:エレクトロの人って、フィジカルでつくるというよりは、ネットでアップしてって感じが多いと思いますけど、フィジカルで出す意義はあると思います。
山田:個人的には、好きなアーティストでどうだったか考えると、曲単体よりも、あのアルバムよかったなっていう方が思い入れが強いんですよね。自分がバンドやってたっていうのも大きい気がしますけど…
Kota Yamada (ba.)
古口:歌ものの強い曲の間にインストの爽やかな曲が入ってたりするのも結構いいじゃないですか。その曲単体でSoundCloudに出してもあまりよくないんだけど、っていう。『Golden Rain』も、アルバムで聴く時のことを考えてつくりました。曲順を考えている時が一番楽しいですね。
ico!:自分としては、今はのびのび歌えてるんですが、エレクトロにこれだけガッツリ歌が入っているのは今まで聴いたことがなかったので、最初はいいのかなっていう気持ちが強かったんですよ。正解とかは別にないんですけど、今回のアルバムをつくっているうちに、これでいいんだなっていう1個の答えのようなものが知っていけたんです。歌がない曲もいいし、曲の絡み合い方で互いを引き立てあってる瞬間がかなりあるので、やっぱりアルバムは全部で聴いてほしいと思いますね。SoundCloudにも何曲かアップしていますけど、推し曲というわけではなく、あくまできっかけとして、いいなと思ってもらえたらうれしいです。