「闇ポップシンガーソングライター」を自称するしずくだうみが、アイドル運営をはじめると訊いたのは約1年ほど前。もともとアイドルにも詳しいことは知っていたが、ついに自ら運営として始動するとは…!そしてこのほど、ついに新アイドルユニット「ニュートリノ温泉」がお披露目された。しずくだは、いったいなぜアイドルを立ち上げようと思ったのか。そしてニュートリノ温泉のウルチマイ、ましろめぐとはどんな人たちなのか。3人に共通するキーワードは、やはり闇!?しずくだとメンバーに話を訊いた。(取材・文/前田将博、写真/飯本貴子)
※しずくだうみのインタビューはこちら。
――しずくださんはシンガーソングライターとして活動しているわけですが、今回はなぜアイドルを始めようと思った?
しずくだうみ(以下、しずくだ):自分自身だとかわいい曲とかは歌えないし、弾き語りっていうだけで聴かない層も少なからずいるので、もっと自分の曲を聴いてくれる対象を拡大したいという思いがありました。ただその規模を大きくするには自分の身体だと限界があるし、自分じゃない方がいいんじゃないかと思って。私は10歳くらいから歌をやってきたから歌はもちろん歌えて、ダンスも少しできるし、シンガーソングライターとしての活動のなかで人脈も作ってきました。いままで自分が何年もかけて手探りで掴み取ってきたそういう環境をそのままニュートリノ温泉に提供したら、軌道に乗るスピードも速いんじゃないかと思ったんです。
――シンガーソングライターの人って、自分が歌うことにこだわるタイプの人と、自分の曲を広めたくて歌っている人とがいると思うんです。しずくださんはどちらかというと、自分自身が歌うことに重きを置いていると思っていました。
しずくだ:極論を言えば、私は歌が歌えればなんでもいいんです。でも自分が人前に出続けるには年齢とかの限界もあるので、ゆくゆくはボイトレの先生とレーベルオーナーとかになって、歌に携わっていたいですね。自分の歌も作りつつ裏方にまわって、歌うことと自分の曲が歌われることの両立ができたら理想です。
――個人で売れることよりも、歌い続けることや音楽に長く携わることを考えていると。
しずくだ:単純に歌うことが楽しいし、もし声がなくなっても作曲はできるので、どういう形であれ音楽に携わっていきたいですね。
――ニュートリノ温泉のメンバーはどうやって集められたんですか?
ましろめぐ(以下、ましろ):温泉を掘り当てに行こうと思ったら…
しずくだ:そういうこと言わなくていいから、普通に喋ってよ。
一同:あははは(笑)
――そういう設定があるわけではないと(笑)
しずくだ:ウルチはもともと別のアイドルグループに所属していたんですけど、それをやめてうなだれている時に、私もちょうどメンバーを探していたので拾いました。ましろはウルチの友達です。
――しずくださんとウルチさんは、もともと知り合いだった?
ウルチマイ(以下、ウルチ):友達の友達みたいな感じでしたね。
しずくだ:結構、昔から存在は知っていました。
――それで、まずはウルチさんに声がかかったと。
ウルチ:最初は「オーディションやる?」みたいな話をしずくださんとしていたんですが、お金も手間もかかるし、いい人が見つけられなかったらもったいないなと。それで紹介なら人となりもわかるから、知り合いのなかから探すことにしました。
――じゃあ、ましろさんはウルチさんが連れてきたんですね。
ウルチ:もともとは、これまた友達の友達くらいの感じで、全然仲良くなかったんです。
ましろ:ほんとですよ。
ウルチ:共通の友達と食事に行く時に連れてこられたのがましろで、「誰だ?」っていう感じでした。でも、そこからなぜか意気投合して…「闇」の部分が同じことに気がついて一気に仲良くなったんです(笑)それがちょうど、しずくださんと話を進めている時だったので、誘うことにしました。
――じゃあ、最初からスムーズにこのふたりが決まった。
ウルチ:いや、実は他にもメンバー候補はいました。その子が連絡を返してくれなくなっちゃって、見切りをつけて他の人を探している時に、ましろと知り合って。ましろ自身も「やりたい!」とのことだったので、しずくださんと話をすることになりました。
――ふたりが意気投合した闇というのは、具体的にどういう部分なんですか?
ウルチ:女の子って「わかる」「そうだよね」「がんばれ」みたいな会話が多いと思うんですけど、ましろの場合は「そうだよね」と言いながらもお互いの痛い部分をつつき合うこともできるというか、「それはないでしょ」みたいなことも、初対面の時から言い合えたんです。
ましろ:初対面の人に対しては手探りになってしまうし、普通失礼なことは言えないじゃないですか。でもウルチは「それはないわ」みたいなことが最初から言える関係だったんです。
――ウルチさんはもともとアイドルグループに所属していたそうですが、ウルチさん自身もアイドルは好きなんですか?
ウルチ:私はもともとアイドル嫌いというか、一番最後に三次元のアイドルが好きだったのは全盛期のモーニング娘。で終わっているんです。なっち(安倍なつみ)とかがいた頃の。なのでバンドとかDJ活動とかをしていたんですけど、アイドルオタクの友達がもっとそういう方面に進んでほしいということで、よくある友達の推薦という形で某アイドルのオーディションに応募したんです。それで初めてそのグループを知って、曲を聴いているうちにそのグループは好きになりました。結局、そのグループのオーディションは落ちてしまったんですけど。
――バンドはどんな曲をやっていた?
ウルチ:Thee Michelle Gun Elephantとかをコピーするバンドで、ベースとコーラスをやっていました。
ましろ:実は私もバンドをやっていました。ガールズバンドで、私もベースでしたね。王道のGO!GO!7188とかチャットモンチーとかをカバーしていました。ウルチがやっていたバンドは、ウルチと面識がない頃から知っていたので、同世代の中のガールズバンドでも結構知名度がりましたね。
――ましろさんも、アイドルではなくバンドをやっていたと。
ましろ:だから私もアイドルになりたかったというわけではないんですけど、自分と正反対の部分に触れてみたいと思ってはじめた感じですね。
――ユニット名は最初、公募していて、ニュートリノ温泉のほかに「ミッドナイト天国」が最終候補となっていました。メンバーはミッドナイト天国を推していましたけど、運営権限でニュートリノ温泉に決まったんですよね。
ウルチ:戸惑いはあるし、「温泉ニュートリノ」みたいな施設があるらしいので、いまだに大丈夫なのかなとは思っています。
しずくだ:怒られたら変えるか…某バンドみたいな感じで。
――当初はダイエットが成功するまで顔出しNGという企画をやっていて、お披露目の直前までウルチさんは顔を出していませんでしたよね。
ウルチ:私は達成してますよ!私は!
ましろ:私もですよ!
――最初の方はウルチさんが体重計の画像を上げていたので、すぐにやめちゃったので挫折したのかと思っていました。
ウルチ:あれは足が汚いって言われたのと、反応が薄くて…
一同:あははは(笑)
ウルチ:でも友達とか家族には痩せたって言われますよ。家族には心配されてます。「ちゃんと食べてるのか?」みたいな。
――ニュートリノ温泉のメンバーには、どんなアイドルになってほしいですか?
しずくだ:最終的には、アイドルじゃなくなってもこの世界で生きていけるようになってほしいですね。
ウルチ:(しずくださんは)母親かな(笑)
しずくだ:ニュートリノ温泉を踏み台にしてうまく生き残ってほしいですね。もちろんこのプロジェクトを全力でやるのは大前提なんですが。その生き残るための手段は私が指示することではないし、自分で考えてやりたいことをやってほしいですね。
※しずくだうみのインタビューはこちら。
●Information
ニュートリノ温泉 HP:http://neutrino-onsen.tumblr.com/
そわそわRECORDS Twitter:https://twitter.com/swswrecords
ウルチマイ Twitter:https://twitter.com/maiuruchi
ましろめぐ Twitter:https://twitter.com/megmashiro
しずくだうみ Twitter:https://twitter.com/shizukuda__umi