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icon 2013.5.14

komori(壊れかけのテープレコーダーズ)インタビュー◆5/24、25自主企画「Document & Monument」の前に

――壊れかけは自主企画も多くやられていますが、いままで出演したアーティストのなかで印象に残っている人はいますか?

 

komori:いっぱいいますけど、特に印象に残っているのはやっぱりZoobombsですね。彼らと知り合えたことが大きかったです。4人だけで全米を何十本もツアーで回ったりしてて、あのバイタリティとロックンロール・ドリームというか、愚直なまでにロックに対して純粋な姿勢に完全に打ちのめされました。あとは、この前の秋葉原GOODMANに出てもらった佐々木匤士さんも、奇跡のライヴでした。終演後にお客さんが僕にお礼をいいにきたんですよ。こんなに素晴らしいミュージシャンを呼んでいただきありがとうございましたって。

 

――それは、企画者としてすごくうれしいですよね。

 

komori:あのときは、僕は完全にイベンター視点になってて、これはすごいことやったなって思いました。物販も爆発して、佐々木さんのCDを全部買った人とかもいましたからね。

 

――佐々木さんもそうですが、地方のバンドも含めてかなり幅広いアーティストを呼んでいますよね。これは、自分たちがリスペクトできる音楽を広めたいという思いがあるのでしょうか。

 

komori:広めたいというとおこがましいですけど、共演したいっていう個人の欲望もあります。機会がないですからね。誰もやらないなら自分でやろうかなって。それでまだ見たことのない人たちに観てもらえたら僕たちもうれしいし、なにか新しい発見や芽生えが生じたらと思っています。僕は、歴史のあるキャリアが上の人とやりたいと思っているんですが、今度の企画に出てもらう原マスミさんも70年代からやられている方で、Maher Shalal Hash Bazも長いです。ライヴも衝撃を受けますよ。そういうちゃんと脈々と流れているものをみんなで体感できたらと思っています。

 

――他の世代と共演する機会は、普段はあまりないですからね。

 

komori:原マスミさんとかのファンは、年配の方が多いんです。だけど、アンダーボーイズを観にきたお客さんがすごくいいと思う可能性もあるわけだし、逆もある。ジェネレーション・ギャップとか、ジャンルの壁とかがぶちこわせれば面白いですよね。1回大御所と共演すると自分もゼロに戻れるから、自分に対して課題を課すっていう意味もあるし、壊れかけを見にきて、壊れかけはまだまだ甘ちゃんだと思われるのもいいと思っています。

 

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――今回の企画は初日が東高円寺二万電圧、2日目が東高円寺U.F.O CLUBで開催されますが、あえて違う会場にしたんですか?

 

komori:そうです。同じ東高円寺で場所も近いけど、音も違うし、内装も片方が赤、片方が黒で見え方も絶対に違うだろうし、そういう面白さもあると思います。はじめて来る人にとってはどっちも異様な空間だろうし。あと、二万電圧だったらハードコアやパンク、オルタナとか、U.F.O CLUBならサイケやガレージとか、メイン・ストリームではないような音楽で長きに渡って続けているライヴ・ハウスなので、僕は尊敬しています。なので、今後もよろしくお願いしますっていう感謝の意味を込めたイベントでもあります。U.F.O CLUBは僕たちが6年前から出ているライヴ・ハウスですしね。

 

――どのような内容になりそうですか?

 

komori:2日間セットで来て欲しいですね。壊れかけのテープレコーダーズはセット・リストを全部変えていくので、2日間来ればワンマン並みの曲数が聴けます。世代の違うバンドが同じ日に出るので、上の世代のバンドはもちろん、下の世代に追い抜かれていく恐怖に打ちひしがれるハラハラとドキドキを味わいつつ、時代が結び付いていけばいいなと思っています。