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icon 2013.5.14

komori(壊れかけのテープレコーダーズ)インタビュー◆5/24、25自主企画「Document & Monument」の前に

――楽しみです。ところで、今回の企画は壊れかけの結成6周年と銘打っていますよね。6年は結構長いと思いますが、壊れかけをはじめた時にここまで続くと思っていましたか?

 

komori:当時は、あまり考えてなかったですね(笑)。とりあえずバンドをやりたいなってだけで、あまり具現的な計画性はなかったと思います。

 

――壊れかけはメンバーの世代も違うし、特に仲がいいバンドというわけでもないと思いますが、なにがここまで導いてきたのでしょうか。

 

komori:僕もすごい不思議ですね。でも、最近ちょっとは仲良くなってきたかな。僕は今年で28なんですけど、ベースのshinoさんは9個上だから37ですよ。ロック・ドリームが終わったあとからはじまったような人ですからね(笑)。ドラムの440も34だし。ただ、この2人が40を手前にして伸びしろを見せはじめていて、最近リズム隊がめっちゃ良くなってきてるんですよ。だから、続けるもんだなって思いますね。僕もダメだって落ち込むことも多いけど、自分より上の彼らが頑張ってると思うとね。6年やってると辞めるバンドも多いですしね。どんなバンドだとしても、解散や休止のニュースが流れてくるとショックです。辞める原因はいろいろあるのかもしれないけど、続けられるなら続けた方がいいと思いますね。いつ自分たちの身にもそういうことが起こるかわからないし。

 

――逆に自分たちが辞めそうになった瞬間はありましたか?

 

komori:めちゃくちゃありますよ。メンバー全員でそういう深刻な話になったことはないけど、喧嘩は多いし、僕1人で悩むことはあります。僕たちは、売れてる売れてないでいったら、売れてないですから。そういうことを気にすることは多々あるけど、やっぱりスタジオに入ると面白いし、新曲は生まれ続けますからね。それが止まっちゃったら辞めた方がいいと思うけど、1回腹をくくったらそこから逃げたくないし、本当に最後までボロボロになるまでやらないとっていう覚悟があります。それは意地でもあるし、そう簡単に辞めるとはいいたくないです。

 

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――結成から6年経って、自分のバンドに対する思いも変わっていった。

 

komori:結成した頃は4人でやってるだけで、他になにもなかったですから。だけど6年も経ったらそれなりのネットワークが増えていって、個人でやっていたものが社会になってしまった。人を巻き込んで、お世話になったり協力していただいた人たちがいて成り立ってる部分もあるから、その人たちへの感謝もあります。だから、辞めますっていって辞められるものじゃないと思うんですよ。

 

――周りに対する責任も生まれてきたと。

 

komori:GOK Sound(スタジオ)のエンジニアの近藤さんが、「レコードを作ったら3年はバンド辞めちゃダメだ。解散や休止、脱退が多すぎる。責任がない」っていってたんです。それは産んだ子を育てるような責任なんじゃないですかね。辞めたら売る機会がなくなっちゃいますから。だから、苦しくても産み出してしまった以上は責任は負わないといけない。そこは覚悟して作品を作らないといけないですよね。

 

――辞めていくバンドの他にも、同世代でメジャー・デビューしたりするバンドもいますよね。そういうバンドを見ていて、焦りを感じることはありますか?

 

komori:結構ありますね。そういうシビアな世界ですから。メジャーだどうだってこと以外でも、集客や売り上げがバックされるわけだし、苦しい経済状況に陥っていくこともあります。お金があった方が、アルバムを作るにしてもツアーを回るにしても楽じゃないですか。でも、それは結果としてそういうところに結び付けばいいなと思っていますね。

 

――企画の対バンなどを見ていても感じますが、売れることに対して媚びないですよね。自分たちの信念を貫いているように感じます。

 

komori:営業が下手なんですよ(笑)。打算的になれないというか。企画ももっと軽い気持ちで、リスペクトしてるから共演したいってだけなので。もっとうまくやっていければいいのかもしれないけど、楽しみたいですからね。そこは深刻になりすぎずにやりたいです。売れる売れないでいえば、予算が循環していけばいいと思いますね。アルバムを作って儲かったお金で、また次にアルバムが作れるっていう循環が。これでメンバー全員が生活していくってなると格が違ってくるし、いまそれを実現できてる人って相当少ないですからね。

 

――メジャーのバンドでも、ごく一部の人だけですよね。

 

komori:だから逆に、LOSTAGEとかZAZEN BOYSはすごいですよね。自分たちのスタジオを持って、有無をいわせない自由な活動をしている。それであれだけの作品を作っているわけだし、誰も文句をいえないですよね。

 

――壊れかけとしては、今後どんな活動を予定していますか?

 

komori:4枚目のアルバムは作りたいですね。曲もだいたいできているので、スケジュールや予算を練っているところです。曲ができたらアルバムを作りたいし、形にしてちゃんと発表したい。そうすれば、作ってしまった以上、責任を持ってそれを広める努力をしなくちゃいけない。その間にまたアルバムができるだろうし。そしたら、ずっと続いていけるんじゃないですかね。

 

 

 

●Information

壊れかけのテープレコーダーズ

結成6周年 2DAYS企画 at 東高円寺

「Document & Monument」

 

<第一夜>5/24 fri

東高円寺 二万電圧

w/Maher Shalal Hash Baz

OA:サカシマ

 

<第二夜>5/25 sat

東高円寺 U.F.O CLUB

w/ 原マスミ

OA:アンダーボーイズ

 

両日共に

OPEN/START 18:30/19:00

ADV ¥2,300/¥2,800(+1D)

 

前売りメール予約 halfbrokentaperecorders@gmail.com にて受付中

 

※尚、初日二万電圧にご来場時にお渡しする「2日通しパス」を2日目U.F.O CLUB入場時提示で、前売り/当日関わらず料金を500円割引、及び壊れかけのテープレコーダーズより「2日来場者限定特典」を差し上げます。

 

 

 

●Profile

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ロックバンド「壊れかけのテープレコーダーズ」のボーカルギター

 

 

壊れかけのテープレコーダーズ

ロックバンド。2007年5月結成。同年8月よりライヴ活動開始。
活動当初より都内を中心に激しいライヴ活動を展開、歪んだギターの轟音とオルガンによるドリーミィなポップさ、男女ツインボーカルの織り成すハーモニーが奇跡的に合わさったサウンドが評判を呼ぶ。
これまでに『聴こえる』(09年)、『箱舟』(10年)、『ハレルヤ』(12年)と3枚のアルバムをリリース。
特にレコーディングの全行程をオープンリールのテープレコーダーによるアナログ録音にて制作された3rd『ハレルヤ』は、ディスコ、ファンク、AORまでもを咀嚼し全く異型の新たな音楽が吐き出され、「新たな日本語ロックの金字塔」と大絶賛される。

近年は北海道から福岡まで股にかけながらライヴ活動を行い、当代屈指のライヴバンドとしても定評がある。
2013年3月、初のシングル作品となる「踊り場から、ずっと/羽があれば」を自主制作にてリリース。