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icon 2014.3.18

永山由里恵(響子役)×矢野昌幸(西森役)クロスコラム◆「イヌ」の女と「飼い主」の男の異形の関係を描く『イヌミチ』公開によせて(後編)

●Event Information

『イヌミチ』公開記念前夜祭

「万田邦敏のエイガミチ 〜8ミリからイヌミチへ」

 

3月21日(金)@オーディトリウム渋谷

開場23:00/開映:23:15

チケット:前売2000円(税込・限定数・整理券付)/当日2300円(税込)

※万田邦敏(映画監督)×塩田明彦(映画監督)のトークつき!

 

5年ぶりの長編最新作『イヌミチ』の公開を記念して、オールナイトイベント決定! 万田邦敏のレアな初期作品と、万田邦敏が一押しする、“とっても恥ずかしJK映画!”を上映!

 

「『メイド・イン・76』 (初めての自主映画)、『レムナント6』(初めての商業映画)、 『UNLOVED』(初めての長編映画)。ということで、今回は 私にとっての初めてシリーズとなりました。あ、オールナイト特集っていうのも初めてだ。なんだかちょっと恥ずかしい。いいえ、映画はいつだって恥ずかしい。」万田邦敏 (映画監督)

 

【上映作品】
『メ イド・イン・76』(1977/8mm/10min)
『恋愛論のけじめ』(1983/8mm→miniDV/3min)
『宇宙貨物船レムナント6』(1996/35mm/45min)
『プロダクツ オブ レムナント6』※メイキング(1996/VHS/17min)
『UNLOVED』(2001/35mm/117min)
〜万田邦敏が一押しする、とっても恥ずかしJK映 画!〜
『涙の比重』(監督:鈴木冴/Blu-ray/11min)
『交わる』(監督:古田円香/16mm→DV/16min)
『天使の欲望』(監督:磯谷渚/Blu-ray/40min)

 

 

 

●Movie Information

ゆうばり国際映画祭ファンタスティック映画祭2014正式出品

『イヌミチ』

 

2014年3月22日(土)より、渋谷ユーロスペースにてロードショー!

以降、大阪・第七藝術劇場ほか全国順次公開!

 

公式HP:http://www.inu-michi.com/

 

 

 

 

●Movie Note

【スタッフ・キャスト】

監督:万田邦敏
出演:永山由里恵、矢野昌幸、小田篤、小田原直也、古屋利雄、茶円茜、古内啓子、中川ゆかり、古川博巳、柏原隆介、兵藤公美
2013年/日本/HD/72分 映画美学校2012年度高等科コラボレーション作品
配給=映画美学校

首輪をはめたら、「自由」になれた。

向き合うことを知らない若い男女の孤独と異形の愛を描いた、進化し続ける映画監督、万田邦敏5年ぶりの最新作!

 

【あらすじ】
目の前の物に満足し、信じて待つ「イヌ」。その目をみつめて可愛がり、惜しみなく与える「飼い主」。男女がセックスを介在させず肉体関係を結べるもの、それは「イヌ」「飼い主」の関係になる事だけかもしれない。
仕事や恋人との生活において、選択する事に疲れている編集者の響子はある日、クレーマーや上司に簡単に土下座をする男・西森と出会う。プライドもやる気もない西森の、無欲な「イヌ」の目に興味を持つ響子。出来心から訪れた西森の家で、二人はおかしな「イヌ」と「飼い主」という遊びを始める。「イヌ」としての盲目な生活に浸る響子と、その姿に安らぎ「飼い主」になる西森。ほの暗い家の中で、決して交わることのない身勝手な愛を垂れ流す二人の遊びはどこへ向かうのだろうか。

次代を担う若き才能×孤高の映画作家 運命を変貌させる異世代の邂逅!

『UNLOVED』(02)、『接吻』(08)で国内外に衝撃を与えた映画作家・万田邦敏監督が5年の沈黙を破り放つ最新作『イヌミチ』は、個性的で精力的に活動を続ける映画監督を輩出する映画美学校の、フィクション、アクターズ、脚本の3コースによるコラボレーショオン作品である。
第一線で活躍する高橋洋、三宅隆太、村井さだゆき三人の講師陣が揃って太鼓判を押した伊藤理恵によるリアルな女性心理が描かれた独創的なシナリオに、響子役の永山由里恵、西森役の矢野昌幸らがみずみずしくも大胆で躍動する演技と表情で挑み、そして映画に対し熱い血潮をたぎらせるフィクション・コース15期生がスタッフとして現場を支える。これからの映画を担う若い世代の感性と万田監督の鋭い演出が混じり合うことにより、『イヌミチ』は現代の若者の孤独と倒錯した愛を描いた、新しい万田邦敏作品としてここに誕生した。

 

【監督からのメッセージ】
入籍を考えなくてはならない恋人との関係や日々の仕事に倦んだ、30歳まぢかの主人公のOLが、見ず知らずの男の家に転がり込み、どういうわけか四つん這いになって犬の真似をし始める。男も男で、そういう女を素直に受け入れる。しかし二人の間に性的な関係は一切ない。これが『イヌミチ』の物語だ。私は、最初不思議な話だと思った。新しい話だとも思った。「今」のひとたちの話なのだとも思った。一方、撮影現場に参集したスタッフ・キャストの学生たちはみな若く、そこにも「今」があった。さあ、困った。「若さ」にも「今」にも弾かれている年寄りは、それに迎合するのは業腹だし、ただ逆らって頑固になるのも大人げないし。ジレンマ。今こそ「わん!」と鳴いて四つん這いになるべきか。もちろんそんなことはできなかったけれど、それをやるのにもそれなりの勇気と覚悟が必要なのだということには気づかされた。そうして、そんな勇気と覚悟をおくびにも出さず犬になった主人公が、いよいよ奇妙に思えたのである。-万田邦敏

監督・編集:万田邦敏/脚本:伊藤理恵/撮影:山田達也/照明:玉川直人/録音・整音・効果:臼井勝/音楽:斎藤浩太、下社敦郎/音楽監修:長嶌寛幸/美術:萩原周平、赤松直明、鈴木知史/衣装:松岡智子/助監督:菊地健雄/制作:大野敦子/カラリスト:田巻源太/Bカメラ撮影:星野洋行/撮影助手:高嶋正人、中村太紀、木村玄、光田力哉/照明助手:茂木俊幸、迫田遼亮、若栗有吾/録音助手:下社敦郎、栗山道太/演出助手:松本大志、三野航、花山奈津/制作進行:鈴木英生、阿部瑶子、太田英介、清原悠矢、今野友裕、立花麻衣/製作・配給・宣伝:映画美学校
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