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icon 2015.12.24

ぷりぷり伊能プロジェクト 測量7回目 Falus(大阪)――V8(古川正路)、舘脇悠介、La_Repriseによる最先端音楽のトーク&視聴会、最新回ゲストにDirty Dirt

PIP_舘脇さん

 

舘脇悠介

 

――まずは簡単な自己紹介をお願いします。

 

舘脇悠介(以下、舘脇):舘脇悠介といいます。京都のレコード店Meditationsで働いています。

 

――ざっくりで構いませんので、小・中・高・大・社会人に至る音楽遍歴を教えてください。

 

舘脇:

小:鈴木あみ(小室哲哉プロデュース)

中:THE MAD CAPSULE MARKETS

高:sunn O)))、小室哲哉

大:Oneohtrix Point Never、小室哲哉

今:John Carpenter、小室哲哉

 

――小室率高いですね!そのなかで絶対に揺るがない普遍的な一曲は?

 

舘脇:John Carpenter & Alan Howarth「Escape from New York Main Title」。永遠の憧れ、ディストピアのテーマ。なにか危ないことがおきる予感しかないです。それに打ち震えて心が無になります。小室哲哉で1曲だと「OPERA NIGHT」。

 

John Carpenter & Alan Howarth「Escape from New York Main Title」

 

――古川さんにFalusをやろうと声をかけられて、どう感じましたか?

 

舘脇:「僕みたいな者に目をむけて下さる方がいるんだ!」と感動しました。

 

――「トークショー」のよさはなんだと思いますか?

 

舘脇:話す側としては、日常とちがうステージがあるということ。日々の積み重ねを、文字や放送でなく、人に向かって生身でアウトプットできるのは貴重だと思います。

 

――舘脇さんがFalus企画チーフとのことですが、「音楽の始まりを見守って行く場所」として2015年6月開催の1回目に「オーストラリアの地下事情」、9月開催の2回目に「ノイズ・ミュージックの現在」、そして12月開催間近の3回目に「注目のアンダーグラウンド女子」を打ち出しました。各々のテーマはどのように決めているのですか?

 

舘脇:3人で意見交換しながら決めていますが、だいたいはミーハーなそのときの気分です。でもテーマ選びは間違っていないと思います。

 

――今回のトークテーマ、「注目のアンダーグラウンド女子」。舘脇さんにとって理想の「アンダーグラウンド女子」とは?

 

舘脇:たとえばSapphire Slowsみたいに強い信念があって、前に向かって進む人。とても刺激を受けます。

 

――普段、どうやって音楽をディグっていますか?いつもチェックしているお気に入りのレコードショップ、ネットショップ、レーベル、サイト、ブログ、雑誌などもあれば知りたいです。

 

舘脇:ディグの情報源はTwitterやFacebookで流れてくるものが多いです。レコードショップやディストロだと、Deutsche Asphalt、Boomkat、Rewind Forward、the tide of the end、Infinite Limits、Nostilevo。偏ってます。あとはそのときの運と出会いと気合いです。

 

――まわりの人間と全国各地の話をするとき、京都は「住むのも最高、文化的にも最高、空気感が最高」と絶賛の声しか聞かないのですが、実際Meditationsのある「京都」はどのような場所だと感じていますか?

 

舘脇:良くも悪くも居心地がよい場所。レコード屋さんが多いので音楽を探すには恵まれていると思います。

 

――Meditationsでのレコメンド文を読むたび、melting botの海法さんもそうですが、その圧倒的語彙力と豊饒な言葉遣いにうなっています。どのようにして言葉を磨いているのでしょうか?

 

舘脇:もうそろそろストックが尽きてきました…日々読書と映画鑑賞とラジオと妄想あるのみです。

 

――舘脇さんはバイヤー、ブロガー、DJ、トークショーとさまざまなかたちで活躍されていますが、かたちは違えど「レコメンド」する姿勢は一貫しているように思います。それぞれの伝え方で気を付けているところやこだわっているところはありますか?

 

舘脇:ほかに素晴らしい方々が沢山いらっしゃって、今のところそこへは到底入っていけそうもありません。ですので自分の感性あるまま素直に進むのがいいのかなと思っています。

 

――2015年、圧倒的再生回数を誇る一曲またはアルバムを教えてください。今年リリースのものでなくても構いません。

 

舘脇:今年の1曲だとAndras & Oscar「Everytime I Go」。とくに思い入れもなくて自分のライブラリにあってもなくてもいい、でもあれば何度でも聴いてしまう。自分の肌に合っているのだと思います。後半Andrasのソロが最高にエモいです。

 

Andras & Oscar「Everytime I Go」

 

――2015年の音楽体験を漢字一文字で表すと?その理由は?

 

舘脇:「死」。今年でいちど死ぬことにしました。来年は初期化した耳で楽しめそうです。

 

――2010年代を踏まえて、2016年の音楽はなにがクルと思いますか?地域、ジャンル、フォーマット、造語、リバイバル、なんでもOKです。

 

舘脇:形を変えたメタルな要素。フォーマットはCD-R。それからBasic Houseの本気。Where To Now?からVideogamemusicに受け継がれる音数少なめ淡泊音楽の先。テクノばっかりでうんざりなんだよって気分の中にでてくるJake Meginskyみたいな実験/インプロ→ちょいダンスな人。ベルギーのEkster、イタリアのYerevan Tapes、スペインのAnomia、カナダのSummer Cool、ブルックリンのPrimitive Languages、東京のSolitude Solutions、ロシアのJohns’ Kingdom、メキシコのSnu、Vessel & OssiaのFuckPunk。ovis aurumとBlood Room、Via App、Umanzuki。パブリック娘。のアルバム。

 

Umanzuki「ambiente . càuto」

 

ovis aurum「Reclamation」

 

――個人的にオーバーグラウンド・オブ・オーバーグラウンドはアンダーグラウンド・オブ・アンダーグラウンドだと思っているのですが、網羅度がハンパない舘脇さんが思う「ポップ」と「エクスペリメンタル」とはなんですか?概念でも、具体例を挙げてでも構いません。

 

舘脇:どちらも夢と希望をあたえてくれるエンターテイメントです。

 

――女優の杉本有美さんのTwitterをよくRTされている印象ですが、彼女の魅力を音楽にたとえて教えてください。

 

舘脇:New Orderの「Blue Monday」、Kraftwerkの「The Man-Machine」、The Human Leagueの「Seconds」、小室哲哉の「Opera Night」、Oneohtrix Point Neverの「Ships Without Meaning」、KTLの「Theme」と同じくらい綺麗。

 

――もし恋人に「私と音楽、どっちが大事なの!?」と詰め寄られたらなんと答えますか。

 

舘脇:音楽。音楽は自分。恋人は他人です。

 

――音楽以外で2015年にハマったことは?

 

舘脇:オードリーと、オードリーのオールナイトニッポン。いま一番おもしろいラジオ番組。高校のクラスのグループの中でもおもしろかった2人が、そのまま努力かさねてのし上がっていったような、応援したくなる親近感があります。馬鹿力ばっかり聴いてないでもっとはやくに手を出せば、と後悔しました。

 

――他の3人について、一行のレコメンド文を書いてください。

 

舘脇

●古川さん:器が広い。若々しい。人望がある。

●らるぷりさん:器が広い。若々しい。この人が一番しっかりしてる。

●Dirty Dirtさん(ゲスト):器が広い。若々しい。物買いすぎ。

 

――最後に、全国のみなさんに一言!

 

舘脇:オードリーのラジオめっちゃおもろいよ!

 

※お次はらるぷりさんです!