笹口
icon 2013.4.6

笹口騒音ハーモニカインタビュー◆4/12「うみのてレコ発」主催の前に

3/20に自身のリーダーバンドであるうみのてのファーストアルバム『IN RAINBOW TOKYO』をUK PROJECT内のレーベルDECKRECから、ソロ名義としては初となるシングルにして問題作『ロックンロール(笑)』を自身のレーベル\ANAGAWA RECORDSから、それぞれ発表した笹口騒音ハーモニカ。今月4/12にはSuiseiNoboAzを招いてのうみのてレコ発を渋谷O-NESTで開催し、リリースツアーをスタートさせ、6/12にはうみのて初のワンマンも渋谷WWWにて控えているのに加えて、昨年の10月に行われた活動休止ライブ以来、ひさびさとなる太平洋不知火楽団の一夜限りの復活ライブを新宿LOFTで行うなど、話題に事欠かない状況が続いている。そこで今回の取材では、うみのてやソロの話はもちろん、物議を呼んでいる太平洋不知火楽団のライブの真相を聞くと同時に、最近のインタビューで「RADIOHEADになりたい」と連呼している笹口に、大いなるRADIOHEAD愛を存分に語ってもらった。マストリード(©笹口)!(取材・文/金子厚武、写真/福アニー)

 

 

――今日は4月に太平洋不知火楽団のひさびさのライブと、うみのてのレコ発があるということで笹口くんに取材をしに来たんですけど、個人的にはRADIOHEADの話をすることがメインで来ました(笑)。

 

笹口:それだったら何でも話せます。ずっとしゃべれますよ(笑)。

 

――まあでも、まずはライブの話から入ろうと思うんだけど、4/7の太平洋のライブに関しては、かなり物議を呼んでるようで。

 

笹口:そのようですね…(笑)。

 

――4/7は「radioDTM配信200回記念イベント」なわけですが、radioDTMのポッドキャストに笹口くんが出演してる回を聞いたんだけど、今回の出演っていうのはあくまでradioDTMとの関係性ありきで、お世話になったことへの感謝と、活動を休止してしまったことの懺悔だって言ってたよね。

 

笹口:あのイベントに出る理由はホントにそれだけで、radioDTMにはホントにお世話になったんですよ。PV作ったり、企画ライブ一緒にやったり。休止を発表した後に、新宿MOTIONと、「Beat Happening!」と、「りんご音楽祭」、「エロフェス(ETERNAL ROCK CITY)」とか、いくつかお世話になったところでライブをやったんですけど、そのときはradioDTMとできなかったんで、radioDTMにだけお礼をしてなかったというか、懺悔してなかったっていうか(笑)。まあ、うちとしてはですね、休止の理由がいろんな面での行き詰まりだったので……

 

――いろんな面というと?

 

笹口:曲ができないとか、活動が平坦になってたりとか、あとはメンバーの仲の行き詰まりもあってなんですけど…結構前からバンドとして機能してなかったんですよね。バンドで一丸となって曲を作って、「頑張って大きくなろうぜ!」みたいな、そういうのがなくなってたというか。CD作るのってすごい労力だから、「みんなで頑張って作ろうぜ!」ってならないと絶対無理じゃないですか? メンバー間のコミュニケーションが大事だと思うんですけど、そういうのが皆無になっちゃってて……後ろ向きな話ばっかりしてますね(笑)。

 
――外から見てる分には、少しずつうみのてが盛り上がってきて、そっちにモチベーションが移っていったのかな?っていう風にも見えたんだけど。

 

笹口:いや、どっちも自分が曲を作ってるんで、モチベーション的には変わらないんですけど、一番でかいのはうみのては普通にしゃべれるってことですね(笑)。太平洋も普通に会話ができて、高め合う感じで行けてたら、絶対やめてないと思うんですよ。だから、今回の再結成も一回だけなら……他のバンドの人からしたら「中途半端なことしやがって」みたいのがあるかもしれないけど、再結成して活動を続けるわけじゃないんで。これで最後だと思うし、自分の曲はどの曲も好きなんで、一回限りならってことですね。

 

――言ってることはよくわかる。まあ、それがたまたま活動休止のライブから半年っていう短いスパンになっちゃったから、「もう?」みたいになっちゃったんだと思うけど。

 

笹口:ですね。それは本人たちも自覚してるんですけど。

 

――ただ、最終的には本人たちが決めることだと思う。

 

笹口:まあ、最後ですね。ホントの休止ライブみたいな感じです。

 

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――オッケーです。じゃあ、この辺でRADIOHEADの名前を出そうと思うんだけど(笑)、要は太平洋からうみのてっていうのは、RADIOHEADからATOMS FOR PEACEってことだと思うんですよ。太平洋は学生時代から組んでたメンバーの関係性ありきのバンドで、うみのてっていうのは笹口くんのソロからスタートしてるわけで、成り立ち的にトム・ヨークにとってのRADIOHEADとATOMS FOR PEACEと一緒だよね。

 

笹口:あ、素晴らしいまとめ方ですね! それが僕的にも一番いいと思います(笑)。

 

――ってか、笹口くんホントにRADIOHEADっていうかトム・ヨーク好きだよね。『IN RAINBOW TOKYO』にしても、『ロックンロール(笑)』にしても、いろんなオマージュというか影響が入ってて。

 

笹口:それがわかってもらえると嬉しいです。でも、こっち(うみのて)はRADIOHEAD感じてくれる人少ないです。

 

――でも、タイトルからして『IN RAINBOW TOKYO』だし、“ATOMS FOR PEACE”って曲名もあるしね。

 

笹口:そうですね。タイトルは完全に意識してます。

 

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――曲調的には『ロックンロール(笑)』の表題曲以外が、かなり最近のトム・ヨーク化してるよね。

 

笹口:そうなんですよ。これに入ってる曲を作った後に、ATOMS FOR PEACEのアルバムが出たから聴いたら、「なんかつながってるな」って思って。

 

――むしろ、「ATOMS FOR PEACEが俺に寄せてきた」と(笑)。

 

笹口:そうそう(笑)。でもホント、あんな感じになりたいですね。