icon 2013.6.1

文月悠光×福間健二◆POETRY FOR LIFE(第8回)

夕日の果実 文月悠光   夕日が街を押し倒していき、 影だけがくっきりと前に立ちあらわれる。 左手にさげたレジ袋の中身が 何であったか 思い出せなくなっている。 袋のなかで新たに実りはじめている、 夏の光がふくらはぎに触れて熱かった。   休息ののちに ...

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icon 2013.5.30

中原昌也◆実践!大人のコラージュ(最終回)

      ●Profile 中原昌也 1970年生まれ。ミュージシャン、小説家、映画評論家など。 ...

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icon 2013.5.23

文月悠光×福間健二◆POETRY FOR LIFE(第7回)

バレリーナ 福間健二   消えようとして、ふとためらうように しずくを切った体の線に やわらかい光をひきよせた。 日曜日、休息の日の 「とにかく」は わけのわからないことをいろいろと言った末に、だ。 このまま老いて、じゃまになるのは 体温と精細度の高さだけじゃない。...

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icon 2013.5.17

マヒトゥ・ザ・ピーポー(下山)◆いきのこりのしこり(第3回)

      ●Profile マヒトゥ・ザ・ピーポー ロックバンド「下山」のギターボーカル http://gezan.web.fc2.com http://mahitothepeople.tumblr.com ...

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icon 2013.5.16

文月悠光×福間健二◆POETRY FOR LIFE(第6回)

五月の天使 文月悠光   ――天使だったのか 胸の傷口からまっしろな羽をあふれさせ、 あの人は言った。 伏せられた紙たちを一斉に表に返して わたしたちは そこにある色や線に見入ったものだ。 真夜中のくぼみに腰をおろして 一滴のしずくを装っていた。 ――天使なんてい...

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icon 2013.5.13

中原昌也◆実践!大人のコラージュ(第3回)

      ●Profile 中原昌也 1970年生まれ。ミュージシャン、小説家、映画評論家など。 ...

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icon 2013.5.8

文月悠光×福間健二◆POETRY FOR LIFE(第5回)

オブセッション 福間健二   愛じゃないとしても オブセッション、終わらない。 土のなかに埋められても 春の体温と揺れる脚線を感じてしまう。 痛いってこと 痛いけど、やめないでほしいってこと。 茶色から灰色へ、灰色から青へ どこからはじまったとしても、だれかが 天...

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icon 2013.5.5

荻世いをら glasshouse journal 第2回

 十年近く暮らした東京を離れ、名古屋市の外れに住んでいる。震災直後に生まれた息子が三月で二歳になり、この春から近所の保育園に通い始めた。  出だしからまさしくそうだったけれども、育児というのは選択の連続だと未だによく思わされる。どこに住むのか、何を食べさせるのか、どんな教育を与えるのか、どの母...

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icon 2013.5.4

石崎孝多◆そこそこ音楽室(第2回)

勝手に春樹のサウンドトラック   村上春樹の新刊が発売された。   「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」。   こういったタイトルは個人的に好きで、   僕が以前「地平線を巡る、休日の日々」というちょっと長いタイトルのwebサイトを...

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icon 2013.5.2

中原昌也◆実践!大人のコラージュ(第2回)

      ●Profile 中原昌也 1970年生まれ。ミュージシャン、小説家、映画評論家など。 ...

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icon 2013.5.1

マヒトゥ・ザ・ピーポー(下山)◆いきのこりのしこり(第2回)

      ●Profile マヒトゥ・ザ・ピーポー ロックバンド「下山」のギターボーカル http://gezan.web.fc2.com http://mahitothepeople.tumblr.com ...

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icon 2013.5.1

文月悠光×福間健二◆POETRY FOR LIFE(第4回)

変身 文月悠光   この指とまれ と さかんに名前呼び合って 頬杖のなかに溶けていく。 この箱、どうなるのかな。 ふたりで破きはじめた包み紙。 蝶のリボンは、風に手渡す。 空っぽだったら、どんな顔しよう。 名前を当てずっぽうにつむぎ出し、 わたしたち、指から指へと...

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icon 2013.4.24

文月悠光×福間健二◆POETRY FOR LIFE(第3回)

ミディアム・テンポ 福間健二   会話でも文章でも 恋のために 遠まわりして さわりたい手をかくしている この箱、どうなるのかな。 容積、温度、速さ。 推測とたくらみが それぞれおなじ破滅の引き算を用意して 中くらいの板、その痛む色 ミディアム・テンポで あか...

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icon 2013.4.17

文月悠光×福間健二◆POETRY FOR LIFE(第2回)

四月鬼 文月悠光   雨垂れ。叩くだろう、君は。彼女の青白い頬のうえを這いつくように。四月、過ぎゆく手のひらに応えられぬまま彼女は石壁のごとくざらついている。意志のない触手のささめきを聞く。頭上ではすこやかに手繋ぎオニが繁殖し、滴の束を振りおろす。まっすぐな雨粒は檻のように見える...

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icon 2013.4.10

文月悠光×福間健二◆POETRY FOR LIFE(第1回)

光のなかで 福間健二   寒さ。そのための、いくつもの、努力と 半透明の棒がたれさがる ふるさとの家。一晩で行って帰ってきたのに 四月、時間がなくなっている。 いない人の影を抱きしめて 待ったなし。暗くなるまでの、勝負だ。 ミステリーなんか読んでいられない。 忘れら...

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icon 2013.4.6

荻世いをら glasshouse journal 第1回

          ●Profile 荻世いをら 1983年生まれ。小説家 Photo:Maya Murase ...

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icon 2013.4.6

中原昌也◆実践!大人のコラージュ(第1回)

      ●Profile 中原昌也 1970年生まれ。ミュージシャン、小説家、映画評論家など ...

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icon 2013.4.6

マヒトゥ・ザ・ピーポー(下山)◆いきのこりのしこり(第1回)

べじたぶるファック   コンドームの中にたまった、白濁の海の中に、こんにちはこんにちは。うまれることができなかっただよ`sベイビーが、何億人もぶうぶう文句。声はとおく、きけね、きこえねえ。ことにして片付ける大人のお対応。 俊敏かつ無駄のない、が、褒められ賛辞の拍手雨アラレ、で、壊れかける脳...

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icon 2013.4.6

キカクガイ~規格外な企画GUY~(前編)◆なんのこっちゃい西山。

「みちくさ」という自主企画のライブイベントを2008年12月からやっています。最初の3回は毎回違うイベント名だったのですが、第4回目から「みちくさ」になりました。ちなみに、「みちくさ」はJAGATARAというなんのこっちゃい西山。に多大な影響を与えたバントの曲名です。♪とんだところでみちくさしち...

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icon 2013.4.6

石崎孝多◆そこそこ音楽室(第1回)

何事もほどほどに。ではなく、そこそこに。この「そこそこ音楽室」というタイトルは「基本音楽のことなんですが、音楽だけでなく、いろいろなことに触れていきます」という意味からきたタイトルです。 そこそこ音楽についての話題なのですが、本やアート、ファッション、雑学などにも触れていければと思っています。...

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